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汗ジミ・黄ばみ解消!「白物」「色物」夏の分け洗い事情|正しい洗濯術で衣類が蘇る

汗ジミ・黄ばみ解消!「白物」「色物」夏の分け洗い事情|正しい洗濯術で衣類が蘇る

夏のTシャツの黄ばみや汗ジミ、お気に入りの色柄物の色あせに悩んでいませんか?その原因は、汗や皮脂汚れを落としきれていないからかもしれません。夏の分け洗いは色移り防止だけでなく、頑固な黄ばみや色あせを防ぐためにも不可欠です。この記事では、分け洗いの明確な基準から、白物を真っ白に蘇らせる洗濯術、色物を長持ちさせるコツまでを徹底解説。正しい方法を実践し、夏の衣類トラブルを解消しましょう。

1. 夏こそ分け洗い 「白物」「色物」を分けるべき本当の理由

汗ばむ季節、毎日のように回す洗濯機。「面倒だから全部まとめて洗ってしまいたい…」そう思うことはありませんか?しかし、汗や皮脂汚れが多くなる夏こそ、「白物」と「色物」の分け洗いが衣類の寿命を左右する重要なポイントになります。単に色が移るのを防ぐだけではありません。分け洗いには、あなたの衣類を黄ばみや色あせから守り、来年も気持ちよく着るための大切な理由が隠されています。

ここでは、なぜ夏に分け洗いが必要なのか、その「本当の理由」を詳しく解説します。このひと手間が、お気に入りの服を長持ちさせる秘訣です。

1.1 汗と皮脂汚れが黄ばみの原因に

夏の洗濯で最も手強い敵、それは「黄ばみ」です。特に白いTシャツやワイシャツの襟元がいつの間にか黄ばんでいた、という経験は誰にでもあるでしょう。その主な原因は、洗濯で落としきれずに繊維の奥に残ってしまった汗や皮脂汚れが、時間とともに空気中の酸素と結びついて酸化することにあります。

白物衣類は、この黄ばみが特に目立ちやすいもの。そのため、皮脂汚れをしっかり分解する洗浄力の高い「弱アルカリ性洗剤」や、黄ばみを防ぐ「酸素系漂白剤」の使用が効果的です。しかし、これらの洗浄成分は、色柄物にとっては強すぎることがあります。

もし白物と色物を一緒に洗ってしまうと、以下のような問題が起こります。

  • 白物への影響:色物への影響を考えて中性洗剤を使うと、白物の皮脂汚れを十分に落としきれず、黄ばみや黒ずみの原因になります。
  • 色物への影響:白さにこだわって弱アルカリ性洗剤や漂白剤を使うと、色物の染料まで落としてしまい、色あせや風合いの劣化につながります。

つまり、分け洗いはそれぞれの衣類に最適な洗剤を使い分けることで、汚れをしっかり落としつつ、生地へのダメージを最小限に抑えるために不可欠なのです。さらに、色物から溶け出したわずかな染料や汚れが白物に移り、全体がうっすらと黒ずんで見える「移染」を防ぐ効果もあります。

1.2 色移りだけじゃない 色あせも防ぐ分け洗いの効果

分け洗いと聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「色移り」でしょう。特に購入したばかりの濃い色の衣類やジーンズなどは、洗濯中に染料が水に溶け出しやすく、一緒に洗った淡い色の衣類に色が移ってしまうことがあります。これを防ぐためにも、分け洗いは基本中の基本です。

しかし、分け洗いのメリットはそれだけではありません。お気に入りの色柄物衣類の色あせを防ぎ、鮮やかな色を長持ちさせる効果も非常に大きいのです。

色あせの主な原因は以下の通りです。

  • 洗浄成分による染料の分解:洗浄力の強いアルカリ性洗剤は、汚れだけでなく染料も落としてしまうことがあります。
  • 洗濯時の摩擦:洗濯物同士が擦れ合うことで、生地の表面が毛羽立ち、色が白っぽくあせて見えます。
  • 紫外線による日焼け:干している間に紫外線に当たることで、染料が分解されてしまいます。(※干し方については後の章で詳しく解説します)

分け洗いをすることで、デリケートな色柄物には洗浄力がマイルドな「中性洗剤(おしゃれ着洗剤)」を選ぶことができます。これにより、洗浄成分による色落ちを最小限に抑えられます。また、衣類の種類ごとに適した量の洗濯物で洗うことで、過度な摩擦を防ぐことにも繋がります。

このように、分け洗いは衣類を守るための非常に合理的な手段です。以下の表で、そのメリットとデメリットを改めて確認してみましょう。

分け洗いによる効果の比較
洗い方 白物への影響 色物への影響 総合的なメリット・デメリット
分け洗いする メリット:
・皮脂汚れに強い洗剤を使える
・黄ばみ、黒ずみを防ぎ白さを保てる
メリット:
・中性洗剤で優しく洗える
・色あせ、風合いの劣化を防げる
衣類の種類に合わせた最適なケアができ、衣類が長持ちする。結果的に経済的。
一緒に洗う デメリット:
・皮脂汚れが残りがち
・黄ばみ、黒ずみが進行する
・色移りのリスクがある
デメリット:
・強い洗剤で洗うと色あせする
・他の衣類との摩擦で傷みやすい
手間は省けるが、衣類全体の寿命を縮めてしまう。お気に入りの服が台無しになる可能性も。

夏の洗濯における「分け洗い」は、単なる面倒な作業ではありません。お気に入りの衣類を来年も、再来年も最高の状態で着るための大切なメンテナンスなのです。このひと手間を習慣にすることで、衣類の見た目も寿命も大きく変わってきます。より詳しい洗濯方法については、花王株式会社の公式サイトなども参考にしてみてください。

2. もう迷わない 「白物」「色物」夏の分け洗いの正しい基準

夏の洗濯で衣類を長持ちさせるには、正しい基準で「分け洗い」をすることが不可欠です。なんとなく「白い服」と「色のついた服」で分けている方も多いかもしれませんが、実はもう少し細かく分類することで、黄ばみや色移り、生地の傷みといったトラブルを格段に減らすことができます。ここでは、誰でも今日から実践できる、分け洗いの具体的な基準を詳しく解説します。

2.1 基本は3分類「白物」「淡い色物」「濃い色物」

夏の分け洗いの基本は、衣類を「白物」「淡い色物」「濃い色物」の3つに分類することです。これにより、洗剤の使い分けがしやすくなり、繊細な色の違いを守りながら洗濯効果を最大限に高めることができます。

具体的にどの衣類がどの分類に当たるのか、以下の表を参考に仕分けをしてみてください。

分類 具体例 洗濯のポイント
白物 白いTシャツ、Yシャツ、肌着、白い靴下、白いタオルなど 皮脂や汗による黄ばみが出やすいグループ。洗浄力の高い弱アルカリ性洗剤や酸素系漂白剤を使い、白さをキープします。
淡い色物 パステルカラー(ピンク、水色、黄色など)、ベージュ、オフホワイト、ライトグレーの衣類など 色移りのリスクが比較的低く、かつ白物と一緒に洗うとくすんでしまう可能性があるグループです。中性洗剤を使い、優しい水流で洗うのがおすすめです。
濃い色物 黒、紺、赤、緑、オレンジなどの濃い色の衣類、ジーンズ、柄物など 色落ちや色移りのリスクが最も高いグループ。必ず中性洗剤を使用し、他のグループとは分けて洗濯します。特に新しい衣類は注意が必要です。

この3分類を基本にするだけで、洗濯後の「しまった!」という失敗を大幅に減らすことができます。洗濯カゴを複数用意し、脱いだ時点である程度仕分けておくと、洗濯時の手間が省けて効率的です。

2.2 デリケートな素材やタオル類の分け方

色による分類に加えて、「素材」や「アイテムの種類」による分け方も大切です。特に注意したいのが「デリケートな素材」と「タオル類」です。

  • デリケートな素材の衣類
    ニットやセーター、シルク、レース、ランジェリー、おしゃれ着などは、色に関わらず、これらデリケートなものだけで集めて洗濯するのが理想です。他の衣類のボタンやファスナーに引っかかって傷ついたり、摩擦で毛玉ができたりするのを防ぎます。必ず衣類を裏返して洗濯ネットに入れ、ドライコースや手洗いコースなどの弱い水流で洗いましょう。
  • タオル類
    タオルは、その繊維構造(ループパイル)から、洗濯中に細かい繊維(ケバ)が出やすい特性があります。Tシャツなどの他の衣類と一緒に洗うと、衣類にタオルのケバが付着してしまうことがあります。また、タオルだけで洗うことで、パイルが立ち上がりやすくなり、ふんわりとした仕上がりを保ちやすくなります。可能であれば、タオルはタオルだけでまとめて洗いましょう。
  • 汚れがひどいもの
    泥汚れのついた子供の体操服や靴下、油汚れのついた作業着などは、その汚れが他の衣類に移ってしまう可能性があります。これらの衣類は、他の洗濯物とは別に洗うか、洗剤液につけおきしたり、固形石鹸で部分洗いしたりといった「予洗い」'mark>をしてから洗濯機に入れるようにしましょう。

2.3 色落ちチェックを習慣に 新しい衣類の洗濯方法

特にジーンズや海外製の濃い色のTシャツなど、新しく購入した衣類は色落ちしやすい傾向があります。初めて洗濯する前には、必ず「色落ちチェック」を行う習慣をつけましょう。万が一、色落ちする衣類を他のものと一緒に洗ってしまうと、取り返しのつかない色移りを引き起こす原因となります。

色落ちチェックは、以下の簡単な手順で行うことができます。

  1. 洗濯で使う予定の液体洗剤の原液を、白い布やティッシュ、綿棒などに少量つけます。
  2. チェックしたい衣類の縫い目や裾の裏側など、目立たない部分に洗剤をつけた布を当て、軽くこすります。
  3. 白い布に色が移るかどうかを確認します。

このチェックで布に色がはっきりと移った場合は、その衣類は色落ちする可能性が非常に高いです。最初の2〜3回は必ず単独で手洗いするか、洗濯機で洗う場合も他の衣類とは絶対に分け、水で洗うようにしてください。色落ちしなくなるまでこの対応を続けることで、他の大切な衣類を色移りから守ることができます。

3. 黄ばみを防ぎ真っ白に 「白物」を蘇らせる夏の洗濯術

夏に着る白Tシャツやワイシャツは爽やかですが、気づけば襟元や脇に黄ばみが…。その原因は、落としきれなかった汗や皮脂汚れが酸化したものです。しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。正しい洗濯術を実践すれば、見違えるほど真っ白な状態を取り戻すことが可能です。この章では、白物衣類を蘇らせるための具体的な洗い方から干し方まで、プロのテクニックを詳しく解説します。

3.1 白物の洗濯には弱アルカリ性の粉末洗剤がおすすめ

夏の白物衣類に付着する汗や皮脂は「酸性」の汚れです。この酸性の汚れを効果的に落とすには、反対の性質を持つ**「弱アルカリ性」の洗剤が最も効果的です。特に粉末タイプの洗剤は、液体タイプに比べて洗浄力が高いものが多く、白さを際立たせる「蛍光増白剤」が含まれていることもあります。

普段使いの液体洗剤(多くは中性)と、白物専用の弱アルカリ性粉末洗剤を使い分けることで、衣類の白さを長くキープできます。ただし、デリケートな素材や「中性」表示のある衣類には使えないため、必ず洗濯表示を確認しましょう。

洗剤の種類と特徴(白物洗いの場合)
洗剤の種類 液性 得意な汚れ 特徴
粉末洗剤 弱アルカリ性 皮脂・汗・泥汚れ 洗浄力が高い。蛍光増白剤や漂白剤配合のものが多く、白物の黄ばみ・黒ずみに強い。
液体洗剤 中性~弱アルカリ性 食べこぼし・油汚れ 水に溶けやすく、すすぎが楽。衣類へのダメージが少ない。中性タイプはおしゃれ着にも使える。

3.2 頑固な汗ジミには酸素系漂白剤でつけおき洗い

すでに黄ばんでしまったTシャツや、蓄積された汗ジミには、通常の洗濯だけでは太刀打ちできません。そんな時は「酸素系漂白剤」を使ったつけおき洗いが絶大な効果を発揮します。酸素系漂白剤は、塩素系のようなツンとした臭いがなく、色柄物にも使える(ただし念のため目立たない場所でテストしてください)ため、家庭で扱いやすいのが魅力です。主成分の過炭酸ナトリウムが、お湯に溶けることで酸素の泡を発生させ、繊維の奥から汚れを分解・除去してくれます。

3.2.1 お湯と酸素系漂白剤を使ったつけおきの手順

つけおき洗いは、黄ばみや臭いを根本から解消するパワフルな方法です。正しい手順で行い、衣類を傷めずに白さを取り戻しましょう。

  1. 準備:40~50℃のお湯を洗濯桶やバケツに用意します。給湯器の設定温度を少し高めにすると便利です。熱湯は生地を傷める原因になるため避けましょう。
  2. 溶かす:お湯に酸素系漂白剤(粉末タイプ)を規定量溶かします。製品のパッケージに記載されている使用量を必ず守ってください。手荒れ防止のため、ゴム手袋を着用すると安心です。
  3. つけこむ:黄ばみが気になる白物衣類を、漂白剤を溶かしたお湯にしっかりと沈めます。衣類が浮いてこないように、水の入ったペットボトルなどを重しにするのも良い方法です。
  4. 放置:そのまま**30分から長くても2時間程度つけおきします。一晩中つけっぱなしにすると、逆に生地を傷めたり、汚れが再付着したりする可能性があるので注意が必要です。
  5. 通常洗濯:つけおきが終わったら、衣類を軽く絞り、他の洗濯物と一緒に洗濯機に入れ、いつも通りに洗濯します。つけおき液ごと洗濯機に入れるとより効果的ですが、洗濯機の取扱説明書を確認してください。

このひと手間で、諦めていた黄ばみが驚くほど薄くなるのを実感できるはずです。より詳しい情報については、花王の公式サイト「【黄ばみ・黒ずみ】衣類の黄ばみや黒ずみの原因と落とし方」なども参考にしてみてください。

3.2.2 襟袖の皮脂汚れには固形石鹸での予洗いが効果的

ワイシャツの襟や袖口にできる黒ずんだ汚れは、皮脂が蓄積した頑固なものです。この部分的な汚れには、洗濯機に入れる前の「予洗い(よあらい)」が欠かせません。特におすすめなのが、昔ながらの洗濯用固形石鹸です。

手順はとても簡単です。

  1. 襟や袖口の汚れた部分を、ぬるま湯でしっかりと濡らします。
  2. 洗濯用固形石鹸を直接汚れにこすりつけ、石鹸の成分をなじませます。
  3. 生地が傷まない程度に軽くもみ洗いするか、使い古しの歯ブラシなどで優しく叩くようにブラッシングします。
  4. **すすがずに、そのまま他の洗濯物と一緒に洗濯機に入れて洗います。

この一手間を加えるだけで、洗浄力が格段にアップし、洗い上がりのスッキリ感が全く違います。特に直接肌に触れる部分の汚れ対策として、ぜひ習慣にしてみてください。

3.3 白さを保つ干し方のコツ 紫外線を利用する

白物衣類を洗い上げた後の最後の仕上げは「干し方」です。白物の場合は、太陽の光、特に**紫外線を味方につけるのが白さを保つ秘訣です。

紫外線には天然の漂白効果と殺菌効果があります。これにより、洗い残したわずかな黄ばみの原因菌を分解し、生乾きの嫌な臭いを防ぐことができます。色物と違って色あせの心配がないため、白のTシャツやシャツ、タオル、下着などはぜひ天日干ししましょう。

干す際は、衣類同士の間隔をこぶし一つ分以上あけて、風通しを良くするのがポイントです。空気が循環することで乾きが早くなり、雑菌の繁殖を防ぎます。ただし、長時間強い日差しに当てすぎると、生地がごわついたり傷んだりすることもあるため、乾いたら早めに室内に取り込むように心がけましょう。

4. 色あせと色移りを防ぐ 「色物」を長持ちさせる夏の洗濯術

お気に入りのカラーTシャツや柄物のワンピース。夏の日差しに映える色鮮やかな衣類は、大切に長く着たいものですよね。しかし、夏の洗濯は汗や皮脂汚れだけでなく、色物衣類にとっては「色あせ」と「色移り」という大きな課題が待ち受けています。白物とは異なるアプローチで洗濯することで、衣類の色や風合いを守り、来年も気持ちよく着られる状態を保ちましょう。ここでは、色物を長持ちさせるための夏の洗濯術を詳しく解説します。

4.1 色物の洗濯は中性洗剤(おしゃれ着洗剤)が基本

色物衣類の洗濯で最も重要なのが洗剤選びです。洗浄力の高さを重視してしまいがちですが、色あせを防ぐためには、衣類へのダメージが少ない「中性洗剤」を選ぶことが鉄則です。スーパーやドラッグストアで「おしゃれ着洗剤」として販売されているものがこれにあたります。

では、なぜ中性洗剤が良いのでしょうか。一般的な粉末洗剤に多い「弱アルカリ性洗剤」との違いを表で見てみましょう。

洗剤の種類 特徴 得意な汚れ 色物への影響
中性洗剤(おしゃれ着洗剤) 洗浄力は穏やか。繊維や染料へのダメージが少ない。 軽い皮脂汚れ、食べこぼし 色あせや風合いの変化が起きにくい。
弱アルカリ性洗剤 洗浄力が高い。タンパク質汚れを分解する酵素が入っていることが多い。 汗、皮脂、泥汚れ、食べこぼし 染料も落としやすく、色あせの原因になりやすい。

表からもわかるように、弱アルカリ性洗剤は洗浄力が高い反面、衣類の染料まで落としてしまう可能性があります。特にデリケートな染料を使っている衣類や、濃い色の衣類には不向きです。一方、中性洗剤(おしゃれ着洗剤)は、洗浄力がマイルドなため、繊維をいたわりながら、色や柄を守って洗い上げることができます。

夏の汗汚れが気になる場合でも、ほとんどの汚れは中性洗剤で対応可能です。もし襟元や袖口の汚れがひどい場合は、洗濯機に入れる前に、原液を直接塗布して軽く叩き込む「前処理」を行うと効果的です。

4.2 洗濯ネットと色移り防止シートの活用術

洗剤選びと合わせて実践したいのが、洗濯ネットと色移り防止シートの活用です。これらを上手に使うことで、洗濯中のトラブルを大幅に減らすことができます。

まず、洗濯ネットは、衣類同士の絡まりを防ぐだけでなく、摩擦による生地の傷みや毛羽立ち、そしてそれに伴う色あせ(白ちゃけ)を防ぐという重要な役割があります。特に、装飾のあるTシャツやリネン素材のシャツなどは、必ず洗濯ネットに入れましょう。その際は、衣類を軽くたたんで、大きすぎず小さすぎない、ジャストサイズのネットに入れるのがポイントです。一つのネットに一枚の衣類が原則です。

そして、分け洗いの手間を軽減してくれる便利なアイテムが「色移り防止シート」です。これは、洗濯中に衣類から溶け出した染料を吸着してくれる特殊なシートで、ドクターベックマンの「カラー&ダートコレクター」などが有名です。このシートを洗濯物と一緒に入れるだけで、淡い色の衣類への色移りを防ぎ、「濃い色物」と「淡い色物」をある程度まとめて洗うことが可能になります。ただし、新品のジーンズや色の濃い衣類など、特に色落ちが激しいことが予想されるものは、最初の数回は単独で洗うのが賢明です。

4.3 紫外線はNG 色物は必ず陰干しで

洗い終わった後の「干し方」も、色物の寿命を左右する重要な工程です。白物の場合は日光に当てて殺菌・漂白効果を狙いますが、色物の場合は全く逆です。

色物衣類にとって、紫外線は大敵です。紫外線は染料を分解する作用があり、直射日光に長時間当てると、短時間で著しく色あせてしまいます。特に、赤や青、緑といった鮮やかな色は紫外線の影響を受けやすいため注意が必要です。

色物を干す際は、以下のポイントを徹底しましょう。

  • 必ず「陰干し」する: 直射日光が当たらない、風通しの良い場所を選びます。ベランダであれば日陰になる場所や時間帯を狙い、室内干しも有効な選択肢です。
  • 衣類を「裏返し」て干す: 万が一、日光が当たってしまっても、表面の色あせを防ぐことができます。また、生地への摩擦を防ぐ意味でも効果的です。
  • 風通しを良くする: 衣類同士の間隔をこぶし一つ分以上あけて、風の通り道を作りましょう。サーキュレーターや扇風機を使うと、より早く乾き、生乾き臭の防止にもつながります。

こうしたひと手間をかけることで、お気に入りの色物衣類の色を鮮やかに保ち、長く愛用することができます。より詳しい洗濯のコツについては、花王の「お洗濯のヒント」などの情報も参考にしてみてください。

5. 夏の洗濯を快適に 臭いを防ぐプラスワンテクニック

夏の衣類ケアは、分け洗いだけでは万全ではありません。汗や湿気で発生しがちな「嫌な臭い」を防ぐことで、洗濯の仕上がりが格段に向上します。ここでは、分け洗いとあわせて実践したい、夏の洗濯を快適にするためのテクニックをご紹介します。

5.1 部屋干しの生乾き臭を防ぐ洗い方と干し方

夏の部屋干しで気になる生乾き臭。その主な原因は、洗濯で落としきれなかった皮脂汚れをエサにして増殖する「モラクセラ菌」という細菌です。この菌の繁殖を抑えることが、臭い対策の鍵となります。

洗い方のポイントは、菌のエサとなる汚れをしっかり落としきることです。40℃〜50℃のお湯に酸素系漂白剤を溶かして30分〜1時間ほどつけおきしてから洗濯すると、除菌・消臭効果が高まり、生乾き臭を根本から断つのに非常に効果的です。

また、干し方にも一工夫が必要です。菌は水分がある環境で繁殖するため、いかに早く乾かすかが重要になります。

  • アーチ干しを実践する:洗濯物を干す際、長いものを両端に、短いものを中央に配置する「アーチ型」に干します。これにより、洗濯物の下に空気の通り道ができ、風が循環しやすくなります。
  • 風を直接当てる:扇風機やサーキュレーターの風を洗濯物に直接当てることで、乾燥時間を大幅に短縮できます。首振り機能を使って、まんべんなく風を送りましょう。
  • 除湿機やエアコンのドライ機能を活用する:室内の湿度を下げることも、洗濯物を早く乾かすのに有効です。特に湿度の高い日には積極的に活用しましょう。
  • 洗濯物同士の間隔を空ける:こぶし一つ分(約10cm)の間隔を空けて干し、風通しを良くすることも忘れないようにしましょう。

5.2 すぐに洗えない時の応急処置

汗をかいた衣類をすぐに洗えない時、脱いですぐに洗濯カゴに入れてしまうのはNGです。湿った状態のまま放置すると、雑菌が爆発的に繁殖し、頑固な臭いや黄ばみの原因となってしまいます。

濡れたまま洗濯カゴに入れるのは絶対に避けましょう。すぐに洗濯できない場合は、一時的にハンガーにかけるなどして、できるだけ湿気を飛ばしておくことが大切です。風通しの良い場所で乾かしておくだけでも、菌の増殖をかなり抑えることができます。もし可能であれば、軽く水ですすいでから干しておくとさらに効果的です。

また、旅行先などで洗濯が難しい場合は、通気性の良いメッシュ素材のランドリーポーチなどを活用し、衣類が蒸れないように保管することをおすすめします。

5.3 見落としがちな洗濯槽の汚れと掃除方法

衣類をきれいにしているつもりでも、洗濯槽そのものが汚れていては元も子もありません。洗濯槽の裏側には、洗剤の溶け残りや皮脂汚れ、湿気をエサとする黒カビが溜まりやすく、これが洗濯物の臭いの原因になっているケースが非常に多いのです。

最低でも1〜2ヶ月に1回は、専用のクリーナーで洗濯槽を掃除する習慣をつけましょう。洗濯槽クリーナーには主に「酸素系」と「塩素系」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。ご家庭の状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。

洗濯槽クリーナーの種類と特徴
種類 主成分 特徴 メリット デメリット
酸素系クリーナー 過炭酸ナトリウム 発泡力で汚れを剥がし取る 強力な発泡力で、目に見える汚れ(ピロピロわかめ状のカビなど)をごっそり剥がし取れる。環境や肌に比較的優しい。 剥がれた汚れをすくい取る手間がかかる。冷水では効果が落ちるため、お湯を使う必要がある。
塩素系クリーナー 次亜塩素酸ナトリウム カビを分解して溶かす 汚れを分解するため、ゴミをすくう手間がない。強力な殺菌力で、目に見えない菌までしっかり除菌できる。 特有のツンとした臭いがある。酸性タイプの製品と混ざると有毒ガスが発生する危険がある(「まぜるな危険」表示)。

初めて掃除する場合や、汚れがひどいと感じる場合は、まず酸素系クリーナーで物理的な汚れをしっかり取り除き、その後、定期的なメンテナンスとして塩素系クリーナーで除菌するという使い分けも効果的です。

掃除が終わった後は、洗濯機のフタを開けたままにして内部をしっかり乾燥させ、カビが再発しにくい環境を保つことも忘れないようにしましょう。

6. まとめ

夏の衣類は汗や皮脂で黄ばみやすく、洗濯時の色移りや色あせも起こりがちです。これらの悩みを解決する鍵は、洗濯物を「白物」「淡い色物」「濃い色物」に正しく分けることです。白物は弱アルカリ性洗剤と酸素系漂白剤で黄ばみを防ぎ真っ白に、色物は中性洗剤と陰干しで風合いを守りましょう。ひと手間加えるだけで、衣類の寿命は大きく変わります。この夏は正しい分け洗いを実践し、お気に入りの服を来年もきれいに着られるようにしましょう。