今日からできる!洗濯の水使用量を減らす簡単なコツで節約&環境保護
今日からできる!洗濯の水使用量を減らす簡単なコツで節約&環境保護
毎日の洗濯、水道代が気になるけれど、どうすれば水の使用量を減らせるの?この記事では、洗濯機の種類別の使い方から、まとめ洗いや洗剤選び、お風呂の残り湯活用といった具体的な節水テクニックを網羅的に解説。今日から簡単に実践できるコツで、無理なく水道代を節約し、地球環境の保護にも貢献できる方法がわかります。
1. なぜ洗濯の水使用量を減らすことが大切なの
毎日のように行う洗濯ですが、実は多くの水を使っていることをご存知でしょうか。洗濯で使う水の量を少し意識して減らすだけで、私たちのお財布にも、そして地球環境にも大きなメリットがあるのです。この章では、洗濯の水使用量を減らすことがなぜ重要なのか、その具体的な理由を詳しく見ていきましょう。
1.1 家計に優しい水道代の節約効果
洗濯で使う水の量を減らすことの最も直接的なメリットは、水道料金の節約です。多くのご家庭では、水道料金は使用した水の量に応じて支払う「従量課金制」が採用されています。つまり、使う水の量が少なければ少ないほど、支払う水道料金も安くなるのです。
一般的に、家庭における水の使用用途のうち、洗濯が占める割合は比較的高く、お風呂に次いで多いと言われています。例えば、東京都水道局の調査(令和3年度)によると、家庭での水の使われ方の割合は、お風呂が40%、トイレが21%、炊事が18%、そして洗濯が15%となっています。
具体的に、洗濯1回あたりにどれくらいの水が使われ、それが水道料金にどう影響するのか、一般的な目安を見てみましょう。
洗濯機の種類・容量 | 1回の洗濯に使用する水の量(目安) | 1回あたりの水道料金(目安)※1 | 1ヶ月あたりの水道料金(目安)※2 |
---|---|---|---|
縦型洗濯機(容量8kgクラス) | 約90L~110L | 約22円~27円 | 約264円~324円 |
ドラム式洗濯機(容量8kgクラス) | 約60L~80L | 約15円~20円 | 約180円~240円 |
※1 水道料金単価を1Lあたり0.24円(税込、東京都水道局の一般的な家庭用呼び径20mmで1ヶ月に21~30m³使用した場合の従量料金単価の概算、下水道料金は別途)として計算。お住まいの地域や契約状況により単価は異なります。
※2 1ヶ月に12回洗濯した場合の目安です。
この表からもわかるように、洗濯には多くの水が使われており、それが水道料金に反映されています。日々の洗濯で少しずつ節水を心がけることで、年間を通してみると大きな節約効果が期待できるのです。また、水道使用量が減ることで、下水道使用料も同時に削減される場合が多いため、家計へのメリットはさらに大きくなります。
1.2 地球環境を守る水資源の保護
洗濯で使う水を減らすことは、家計だけでなく、地球全体の貴重な水資源を守ることにも繋がります。日本は比較的降水量が多い国ですが、季節や地域によって降水量に偏りがあり、また、年によっては渇水に見舞われることもあります。私たちが日常的に使っている水の多くは、ダムに貯められた水や河川の水であり、決して無限ではありません。
世界的に見ると、水不足は深刻な問題であり、安全な水を利用できない人々が数多く存在します。限りある水資源を大切に使うことは、国際的な課題解決への貢献にもなります。国土交通省の報告によれば、日本の年間降水量は世界平均の約2倍ですが、人口一人当たりの年降水総量は世界平均の約4分の1程度であり、水資源が豊富とは言えない状況です(国土交通省「日本の水資源の現状」参照)。
また、洗濯排水の問題も見逃せません。洗濯に使われた水には、洗剤や柔軟剤に含まれる化学物質や、衣類から出た汚れなどが混じっています。これらが適切に処理されずに自然界に排出されると、河川や海の水質を汚染し、そこに棲む生き物たちや生態系全体に悪影響を与える可能性があります。節水は、排水量の削減を通じて、こうした環境負荷を低減する効果も期待できます。
さらに、水の取水、浄水、配水、そして下水処理には多くのエネルギーが使われています。節水をすることで、これらのプロセスで消費されるエネルギーを削減し、結果として二酸化炭素(CO2)排出量の削減にも貢献できるのです。日々の小さな節水の積み重ねが、地球温暖化防止の一助となることも意識したい点です。
このように、洗濯における節水は、私たち自身の生活を守るだけでなく、未来の世代のため、そして地球全体の環境を守るために非常に重要な取り組みです。これは、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標6「安全な水とトイレを世界中に」や目標12「つくる責任つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」といった目標達成にも貢献する行動と言えるでしょう。
2. すぐ実践できる 洗濯の水使用量を減らす洗濯機の使い方
毎日使う洗濯機だからこそ、その使い方を見直すことで、水の使用量を効果的に減らすことができます。お使いの洗濯機の種類に合わせたちょっとした工夫で、今日から節水生活を始めましょう。ここでは、縦型洗濯機とドラム式洗濯機、それぞれの特性を活かした節水術をご紹介します。
2.1 縦型洗濯機で洗濯の水使用量を減らすコツ
パワフルな水流で洗う縦型洗濯機は、工夫次第で水の使用量を大きく削減できます。主なポイントは「水位設定」と「すすぎ方」です。
2.1.1 水位設定をこまめに調整し無駄な水を減らす
多くの縦型洗濯機には、洗濯物の量に応じて水位を手動で調整できる機能が備わっています。洗濯物の量が少ないにもかかわらず、常に最大水位で洗濯していませんか? これは大きな水の無駄遣いです。衣類の量に合わせて適切な水位を選ぶことが、節水の基本となります。
洗濯槽の中で洗濯物が十分に動き、しっかりと水に浸かる程度の水位が理想的です。自動水位設定機能がある場合でも、時には手動で微調整することで、よりきめ細やかな節水が期待できます。例えば、普段より洗濯物が少ない日は、意識して水位を一段階下げてみましょう。ただし、水位を極端に低く設定しすぎると、洗浄力が低下したり、衣類同士が擦れて傷んだりする原因にもなりかねません。洗濯物の種類や汚れ具合、洗濯機の取扱説明書を確認しながら、最適なバランスを見つけることが大切です。
2.1.2 「ためすすぎ」を選んで賢く節水
縦型洗濯機のすすぎ方法には、主に「ためすすぎ」と「注水すすぎ」の2種類があります。「ためすすぎ」は、洗濯槽に一度水を溜めてからすすぐ方法で、水を入れ替えてすすぎを行うため、使用する水の量を抑えることができます。一方、「注水すすぎ」は、給水しながら排水も同時に行い、常に新しい水ですすぐため、洗剤残りは少なくなりますが、その分多くの水を使用します。
多くの洗濯機では、標準コースが「ためすすぎ」に設定されていることが多いですが、念のため設定を確認し、積極的に「ためすすぎ」を選択することで、節水効果が期待できます。東京都水道局も、洗濯時の節水方法として「ためすすぎ」を推奨しています。
ただし、肌がデリケートな方や赤ちゃんの衣類など、洗剤のすすぎ残りが特に気になる場合は、すすぎ回数を1回増やすか、状況に応じて注水すすぎを選ぶなど、柔軟に対応しましょう。
2.2 ドラム式洗濯機で洗濯の水使用量を減らすコツ
ドラム式洗濯機は、少ない水で効率よく洗える「たたき洗い」が特徴で、もともと節水性能に優れています。その特性をさらに活かす使い方で、水の使用量をより抑えましょう。
2.2.1 たたき洗いの仕組みを活かして少量の水で洗う
ドラム式洗濯機は、ドラムを回転させて衣類を持ち上げ、落下させる「たたき洗い」によって汚れを落とします。この洗浄方法は、少ない水でも高い洗浄力を発揮できるため、縦型洗濯機と比較して一般的に使用水量が少なくて済みます。
このたたき洗いの効果を最大限に引き出すためには、洗濯物を詰め込みすぎないことが重要です。洗濯物が多すぎると、ドラム内で衣類が十分に持ち上がらず、効果的に落下できないため、たたき洗いの効果が薄れ、洗浄力が低下する可能性があります。逆に、洗濯物が少なすぎても効率が悪い場合があります。一般的には、洗濯機の容量の7割から8割程度を目安にすると、たたき洗いの効果が最も発揮されやすいと言われています。ドラム式洗濯機の節水性能を最大限に活かすためにも、適切な洗濯物量を心がけましょう。
2.2.2 乾燥機能と洗濯コースの最適な組み合わせ
最近のドラム式洗濯機には、洗濯物の種類や汚れ具合、目的に応じて選べる多様な洗濯コースが搭載されています。例えば、「お急ぎコース」や「少量コース」などは、標準コースよりも水量を抑えて運転されるように設計されていることが多いです。
また、高機能な機種では、内蔵センサーが洗濯物の量や布質、汚れ具合を検知し、自動で最適な水量や洗剤量、運転時間を調整してくれるものもあります。これらの先進的な機能を積極的に活用することで、意識せずとも無駄な水の使用を抑えることができます。洗濯から乾燥まで一貫して行う「洗濯乾燥コース」を利用する場合も、洗濯物の素材や量に適したコースを選ぶことが、結果的に節水だけでなく省エネにも繋がります。
お使いの洗濯機の取扱説明書を改めて確認し、搭載されている各コースの特性や機能を理解した上で、その時々の洗濯物の状況に合わせて最適なコースを選択することが、ドラム式洗濯機で賢く節水するためのポイントです。
3. 洗濯方法の工夫で洗濯の水使用量を減らすコツ
洗濯機の使い方だけでなく、日々の洗濯方法を少し工夫するだけでも、水の使用量を効果的に減らすことができます。ここでは、誰でも簡単に取り入れられる洗濯方法のコツをご紹介します。これらの工夫を実践することで、水道代の節約はもちろん、環境への配慮にもつながります。
3.1 洗濯物は「まとめ洗い」で洗濯回数を減らす
洗濯の際に最も多くの水を使うのは、洗濯機を回す工程そのものです。そのため、洗濯の回数自体を減らすことが、最も効果的な節水方法の一つと言えるでしょう。洗濯物が少量しか出ていないのに毎日洗濯機を回すのではなく、ある程度まとまるまで待ってから洗濯するように心がけましょう。
一般的に、洗濯槽の7~8割程度の量で洗濯するのが、洗浄効果と節水のバランスが良いとされています。ただし、洗濯物を詰め込みすぎると、水流が行き渡らず汚れが十分に落ちなかったり、衣類同士が強く擦れて生地を傷めたりする原因にもなります。また、洗濯機の故障につながる可能性もあるため注意が必要です。
ご家族の人数やライフスタイルに合わせて、例えば「2日に1回」「3日に1回」など、無理のない範囲でまとめ洗いをする習慣をつけましょう。特に梅雨時期や湿度の高い季節は、洗濯物を長時間溜め込むと雑菌が繁殖しやすく、臭いの原因にもなるため、通気性の良いランドリーバスケットを使用するなど工夫し、適切な頻度で洗濯することが大切です。
3.2 軽い汚れには「お急ぎコース」で時短と節水
多くの洗濯機には、「お急ぎコース」や「スピードコース」といった短時間で洗濯を終えるコースが搭載されています。これらのコースは、洗いやすすぎの時間を短縮することで、標準コースに比べて水の使用量を抑えることができます。
汗をかいただけの肌着やパジャマ、軽い汚れのタオルなど、それほど汚れていない衣類であれば、お急ぎコースでも十分にきれいになります。洗濯時間も短縮できるため、忙しい毎日の中でも効率的に洗濯をこなすことができ、電気代の節約にもつながります。
ただし、泥汚れや食べこぼしのシミ、襟や袖の頑固な皮脂汚れなど、しっかりと洗う必要がある汚れ物には不向きです。汚れの種類や程度を見極めて、標準コースと使い分けるようにしましょう。お使いの洗濯機の取扱説明書で、お急ぎコースの特性や節水効果を確認してみるのも良いでしょう。
3.3 洗剤と柔軟剤は適量を守りすすぎ水を減らす
洗剤や柔軟剤を多く入れすぎると、泡が過剰に発生し、すすぎに余分な水が必要になってしまいます。また、洗剤成分が衣類に残留しやすくなり、肌荒れの原因になったり、洗濯槽に洗剤カスが付着してカビや雑菌の温床になったりすることもあります。
製品のパッケージには、洗濯物の量や水量に応じた適切な使用量が記載されています。必ずこの目安を守り、計量カップや計量スプーンを正しく使って計量しましょう。汚れがひどいからといって自己判断で量を増やすのではなく、後述する予洗いや部分洗いを取り入れるのが効果的です。最近では、洗剤や柔軟剤を自動で計量・投入してくれる機能が付いた洗濯機も増えていますので、そうした機能を活用するのも良い方法です。ライオン株式会社の生活情報メディアLideaでも、洗濯用洗剤・柔軟剤の適量について詳しい解説がされています。
洗剤の種類 | 計量のポイント | 注意点 |
---|---|---|
液体洗剤 | キャップの目盛りをよく見て、正確に計量します。 | 粘度が高いものはキャップに残りやすいので、最後まで使い切るように意識しましょう。 |
粉末洗剤 | 付属のスプーンを使い、すりきりで計量します。 | 湿気で固まらないよう、使用後はしっかりと蓋を閉め、密閉して保管しましょう。 |
ジェルボール型洗剤 | 製品の指示に従い、洗濯槽の底に直接投入します。(例: 1粒または2粒) | 濡れた手で触るとフィルムが溶けてしまうことがあるため、必ず乾いた手で扱いましょう。 |
自動投入機能 | 洗濯機の指示に従い、専用タンクに適量の洗剤・柔軟剤を補充します。 | 定期的にタンク内や投入経路の清掃を行うことで、詰まりや衛生面の問題を防ぎます。 |
3.4 すすぎ1回の洗剤を選んで洗濯の水使用量を減らす
近年、泡切れが非常に良く、すすぎが1回で済むように開発された洗濯洗剤が各メーカーから多数販売されています。これらの洗剤を使用することで、洗濯工程におけるすすぎの回数を1回減らすことができ、大幅な節水効果と洗濯時間の短縮が期待できます。
「すすぎ1回」を謳う洗剤は、少ない水でも洗剤成分が衣類に残留しにくいように工夫されています。洗浄力や消臭・抗菌効果も従来の洗剤と遜色ない製品が多く、環境負荷の低減にも貢献できるため、積極的に取り入れたいアイテムです。花王株式会社のウェブサイトでは、すすぎ1回のお洗濯に関する情報が提供されています。
これらの洗剤を使用する際は、洗濯機のコース設定も「すすぎ1回」や「節水コース」などを選ぶようにしましょう。もしお使いの洗濯機に専用コースがない場合でも、手動ですすぎ回数を1回に設定することで対応可能です。ただし、洗剤の種類や洗濯物の汚れ具合によっては、すすぎ1回では不十分な場合もあるため、製品の指示や衣類の状態を確認しながら調整してください。日本石鹸洗剤工業会も、すすぎ1回洗剤使用時の洗濯機設定について情報提供しています。
3.5 お風呂の残り湯を洗濯に活用する賢い方法
お風呂の残り湯を洗濯に再利用することは、古くから行われている節水方法の一つです。温かい残り湯は洗剤の洗浄効果を高めるというメリットもありますが、衛生面には十分な注意が必要です。正しい方法で活用し、賢く節水しましょう。
3.5.1 「洗い」に残り湯を使いすすぎは清水で
お風呂の残り湯には、人の体から出た皮脂や角質、微量の石鹸カスなどが含まれています。そのため、残り湯を使用するのは「洗い」の工程のみに限定し、「すすぎ」には必ず清潔な水道水(清水)を使うことが非常に重要です。すすぎまで残り湯で行うと、衣類に汚れや雑菌が再付着したり、臭いの原因になったりする可能性があります。
多くの洗濯機には、お風呂の残り湯を汲み上げるための「風呂水ポンプ」や「残り湯取水機能」が搭載されています。これらの機能を活用し、「洗い」の時だけ残り湯を使い、最後のすすぎは清水で行うように設定しましょう。これにより、洗濯物の仕上がりを損なうことなく、効果的に節水できます。
3.5.2 残り湯活用の際の衛生面の注意点
お風呂の残り湯を洗濯に使う際には、いくつかの衛生面の注意点があります。これらを守ることで、安心して残り湯を活用できます。
- 入浴後できるだけ時間を置かずに使用する:時間が経つほど雑菌が繁殖しやすくなるため、一晩汲み置いた水ではなく、入浴直後のまだ温かいお湯を使うのが理想です。
- 入浴剤の種類に注意する:硫黄成分や塩分、濃い着色料などが含まれる入浴剤を使用したお湯は、衣類への色移りや洗濯槽の金属部品を傷める原因になることがあります。無色透明で香りの少ないタイプや、洗濯使用OKと明記されている入浴剤を選びましょう。不明な場合は、入浴剤のパッケージの注意書きを確認するか、使用を避けるのが無難です。
- 汚れがひどい残り湯は使用しない:体から出た垢や汚れが目立つ場合や、複数人が入浴した後で濁りが強い場合は、洗濯への使用は控えましょう。
- 赤ちゃんの衣類や肌の敏感な方の衣類には使用を避ける:衛生面を考慮し、デリケートな衣類の洗濯には清水を使用することをおすすめします。
- 洗濯槽の定期的な清掃:残り湯を使用すると、洗濯槽に皮脂汚れなどが蓄積しやすくなる可能性があります。月に1回程度は洗濯槽クリーナーを使用し、清潔な状態を保ちましょう。
これらの注意点を守ることで、お風呂の残り湯を安全かつ効果的に洗濯に活用できます。
4. 洗濯物と衣類ケアで洗濯の水使用量を減らすコツ
洗濯機や洗い方だけでなく、洗濯物そのものや衣類のケア方法を見直すことでも、洗濯時の水使用量を効果的に減らすことができます。日々のちょっとした工夫が、大きな節水効果につながります。
4.1 ひどい汚れは予洗い 部分洗いで対応
洗濯機に入れる前に、特に汚れがひどい部分を予洗い・部分洗いすることで、洗濯機での洗浄力をサポートし、結果的に全体の水量を抑えることにつながります。頑固な汚れを落とすために洗濯機が何度もすすぎを繰り返したり、強い水流で長時間運転したりするのを防ぐためです。これにより、本洗いの負担が軽減され、短い洗濯時間や少ない水量でも十分に汚れを落とせるようになります。
例えば、以下のような汚れには予洗いが特に効果的です。
- 泥汚れ(子供の体操服や靴下、スポーツウェアなど)
- 食べこぼしのシミ(ケチャップ、ソース、カレー、油汚れなど)
- 襟や袖の皮脂汚れ、黄ばみ
- 血液汚れ(付着後すぐに処理するのがポイント)
- 化粧品汚れ(ファンデーションや口紅など)
予洗いの具体的な方法としては、汚れた部分に直接液体洗剤や固形石鹸を塗布し、軽くもみ洗いしたり、歯ブラシのような小さなブラシで優しくこすったりする方法があります。また、洗面器などにぬるま湯と洗剤を少量入れて、汚れた部分をつけ置き洗いするのも良いでしょう。つけ置きは、洗剤成分が汚れにじっくり浸透し、繊維から汚れを浮き上がらせる効果が期待できます。これにより、本洗いの時間を短縮でき、使用する水の量も減らせます。
ただし、デリケートな素材の衣類(シルク、ウール、レースなど)は、強くこすりすぎると生地を傷めたり、型崩れを起こしたりする可能性があるため、衣類の洗濯表示を必ず確認し、素材に合った優しい方法で予洗いを行うようにしましょう。専用の中性洗剤を使用することも大切です。
4.2 衣類の種類と汚れ具合で洗濯頻度を見直す
毎日必ずしも全ての衣類を洗濯する必要はありません。衣類の種類や着用状況、実際の汚れ具合に応じて洗濯の頻度を賢く見直すことも、水使用量を減らす上で非常に効果的な方法です。洗濯回数そのものが減れば、当然ながら水の使用量だけでなく、電気代や洗剤の使用量も大幅に削減できます。
例えば、以下のように衣類ごとの特性を考慮して洗濯頻度を見直すことができます。
衣類の種類 | 洗濯頻度の目安 | 見直しのポイントと節水アイデア |
---|---|---|
肌着・下着・靴下 | 毎回洗濯 | 直接肌に長時間触れ、汗や皮脂、雑菌が付着しやすいため、衛生面から毎回洗濯が基本です。これは節水の対象外と考えましょう。 |
Tシャツ・Yシャツ(直接肌に触れるもの) | 1回着用ごと | 汗を吸いやすく、特に夏場や運動時は汚れやすいため、基本的には1回着用ごとに洗濯します。ただし、短時間しか着用せず汗もかかなかった場合は、状態を見て判断しても良いでしょう。 |
パジャマ | 2~3回着用ごと | 就寝中の汗の量や季節によって調整します。夏場や汗をかきやすい方は毎回洗濯が望ましいですが、それ以外の場合は数回着用してからでも問題ないことが多いです。 |
タオル類(バスタオル、フェイスタオル) | 毎回~2回使用ごと | 湿った状態が続くと雑菌が繁殖しやすいため、こまめな洗濯が推奨されます。家族構成や使用状況(例えば、バスタオルを一人で使うか共有するかなど)で判断しましょう。使用後はすぐに干して乾燥させることで、雑菌の繁殖を抑え、洗濯頻度を少し延ばせる可能性があります。 |
ジーンズ・ズボン類 | 3~5回着用ごと、または汚れや臭いが気になった時 | 頻繁に洗うと色落ちや型崩れの原因にもなります。特に濃色のジーンズなどは、風合いを保つためにも洗いすぎない方が良いとされています。汚れや臭いが気にならなければ、着用回数を増やしても良いでしょう。着用後は風通しの良い場所に干すなど工夫しましょう。 |
セーター・カーディガン類 | シーズン中に数回、または汚れや臭いが気になった時 | インナーを着用することで直接肌に触れるのを防ぎ、洗濯頻度を大幅に減らせます。ウールなどのデリケートな素材は、洗濯によるダメージも大きいため、汚れた部分だけを部分洗いするなどの対応も有効です。洗濯表示を確認し、家庭で洗えるか、クリーニングに出すべきかを確認しましょう。 |
アウター(ジャケット、コートなど) | シーズン終わりに1回、または目立つ汚れが付着した時 | 通常、頻繁な洗濯は不要です。汚れが付着した場合は、その部分だけを早めに拭き取ったり、専用のクリーナーでケアしたりしましょう。保管前にはクリーニングに出すか、家庭で洗濯可能なものは洗濯表示に従って洗いましょう。 |
一度着ただけでは目立った汚れや臭いがない衣類は、すぐに洗濯カゴに入れず、風通しの良い場所で陰干ししたり、衣類用の消臭・除菌スプレー(例:花王の「リセッシュ除菌EX」やP&Gの「ファブリーズ」など)を使用したりすることで、数回着用できる場合があります。これにより、不必要な洗濯を減らし、節水に貢献できます。
このように、衣類ごとの特性や着用シーンを理解し、「本当に今洗う必要があるか?」を一呼吸おいて考える習慣をつけることが、無理のない節水につながります。また、洗濯頻度を適切に保つことは、衣類を傷みにくくし長持ちさせることにも繋がり、結果として経済的かつ環境にも優しいサステナブルな衣類ケアと言えるでしょう。
5. さらに洗濯の水使用量を減らすためのアイデア
毎日の洗濯でできる節水術に加えて、ここでは一歩進んだ節水アイデアをご紹介します。便利なアイテムの活用や、思い切った家電の見直しも、長い目で見れば大きな節約と環境貢献につながります。ぜひ、ご家庭の状況に合わせて取り入れられるものがないか検討してみてください。
5.1 節水効果のある洗濯用品を選んでみる
洗濯の際に役立つ節水グッズを取り入れることで、無理なく水の使用量を減らすことができます。様々な製品がありますので、それぞれの特徴を理解して選びましょう。
5.1.1 洗濯ボール・洗濯リング
洗濯ボールや洗濯リングは、洗濯物と一緒に洗濯槽に入れることで、衣類の絡みつきを防ぎ、汚れ落ちをサポートするアイテムです。これにより、少ない水でも効率よく洗濯できる効果が期待できます。また、製品によっては洗剤の量を減らせると謳っているものもあります。素材や形状も様々なので、ご自宅の洗濯機や衣類との相性を考えて選びましょう。ただし、効果の感じ方には個人差がある点や、デリケートな衣類への影響も考慮する必要があります。
5.1.2 節水シャワーヘッドや蛇口用節水アダプター
洗濯機に直接関係するものではありませんが、洗濯前の手洗いや部分洗い、洗濯槽の手入れなどで水を使う際に、蛇口に取り付ける節水アダプターや節水シャワーヘッドを使用することで、間接的に水使用量を抑えることができます。手元で水流を調整できるタイプや、空気を含ませて水量を減らすタイプなどがあります。浴室や洗面所の蛇口に取り付けて、日々の水使用量削減に貢献しましょう。
5.2 最新の節水型洗濯機への買い替えを検討
洗濯機本体の寿命は一般的に7~10年程度と言われています。もし長年同じ洗濯機を使用している場合、最新の節水型洗濯機に買い替えることで、大幅な水使用量の削減が期待できます。初期費用はかかりますが、毎日の水道代や電気代の節約、そして環境負荷の低減といった長期的なメリットは大きいです。
5.2.1 節水型洗濯機の特徴と選び方
節水性能が高い洗濯機としては、主にドラム式洗濯機が挙げられますが、最近では縦型洗濯機でも節水性能に優れたモデルが登場しています。それぞれの特徴を理解し、ライフスタイルに合ったものを選びましょう。
項目 | ドラム式洗濯機 | 節水型縦型洗濯機 |
---|---|---|
洗浄方式 | たたき洗いが主 | かくはん洗いが主(節水モデルは工夫あり) |
標準使用水量(目安) | 少ない傾向(約50L~80L/回) | 従来型より少ない(約80L~110L/回) |
乾燥機能 | 得意とする機種が多い(ヒートポンプ式など省エネタイプも) | 簡易乾燥やヒーター乾燥が主(一部上位機種は高性能) |
本体価格(傾向) | 高め | 比較的安価なモデルから高機能モデルまで幅広い |
メリット | 節水性・節電性が高い(特に乾燥時)、衣類が傷みにくい、デザイン性が高い | 洗浄力が高いと感じる人が多い、設置スペースがコンパクトなものが多い、操作がシンプル |
デメリット | 本体サイズが大きい傾向、価格が高い、洗浄時間が長めの場合がある | ドラム式に比べると節水性で劣る場合がある、衣類が絡みやすいことがある |
洗濯機を選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう。
- 年間標準使用水量・消費電力量: カタログや製品情報に記載されているこれらの数値は、ランニングコストを比較する上で重要な指標です。資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」なども参考に、省エネ性能の高い製品を選びましょう。
- 洗濯容量: 家族の人数や一度に洗う洗濯物の量に合わせて、適切な容量を選びます。大きすぎても小さすぎても効率が悪くなるため、余裕を持たせつつも最適なサイズを見極めましょう。
- 搭載機能: AIがお洗濯状況を判断して自動で最適な運転をする機能、洗剤・柔軟剤の自動投入機能、スマートフォン連携機能など、節水や家事の効率化につながる便利な機能もチェックポイントです。
5.2.2 買い替えのタイミングと補助金
洗濯機の調子が悪くなってきた、10年以上使用していて電気代や水道代が気になる、家族構成が変わり洗濯物の量が増えた、といったタイミングは買い替えの良い機会です。また、自治体によっては、省エネ性能の高い家電製品への買い替えに対して補助金制度を設けている場合があります。「お住まいの自治体名 省エネ家電 補助金」などのキーワードで検索し、利用できる制度がないか確認してみるのも良いでしょう。最新の節水型洗濯機は、日々の暮らしを快適にするだけでなく、環境への配慮にもつながる賢い選択です。
6. 洗濯の水使用量を減らすコツを続けるためのヒント
洗濯での節水は、一度きりの行動ではなく、日々の積み重ねが大切です。ここでは、家族みんなで楽しみながら節水を続け、習慣化するためのヒントをご紹介します。無理なく続けられる工夫を取り入れて、家計にも環境にも優しい生活を目指しましょう。
6.1 家族みんなで節水意識を共有する
節水を長続きさせるためには、家族全員の理解と協力が不可欠です。一人だけで頑張るのではなく、みんなで取り組むことで、より大きな効果が期待でき、節水生活が楽しくなります。
6.1.1 節水目標やルールを家族会議で決める
まず、家族みんなで集まって、なぜ節水が必要なのか、どんなメリットがあるのかを話し合いましょう。その上で、具体的な目標(例:1ヶ月の水道料金を〇〇円下げる、洗濯回数を週に〇回減らすなど)や、家庭内の節水ルール(例:お風呂の残り湯は必ず洗濯に使う、洗濯物はまとめて洗うなど)を決めると、全員が同じ方向を向いて取り組むことができます。ルールは厳しすぎず、みんなが納得できるものにすることが長続きのコツです。
話し合いのポイント:
- 各家庭のライフスタイルに合った無理のない目標設定をする。
- 誰か一人に負担が偏らないように、役割分担を考える。
- 節水によって浮いた水道代の使い道(例えば、家族での外食やレジャーなど)を話し合うのもモチベーションアップに繋がります。
6.1.2 子供にも分かりやすく節水の大切さを伝える
子供たちにも節水意識を持ってもらうことは、将来にわたって水資源を大切にする心を育む上で非常に重要です。年齢に合わせて、水の大切さや節水の意味を分かりやすく伝えましょう。例えば、絵本やアニメを使ったり、一緒にお風呂の残り湯を洗濯機に移す作業を手伝ってもらったりするのも良いでしょう。環境省のウェブサイトには、子供向けの環境学習情報も掲載されていますので、参考にしてみてください。
子供たちが節水を「やらされる」のではなく、「自分からやりたい」と思えるような働きかけが大切です。
6.2 節水効果を記録してモチベーションアップ
節水の成果が目に見えると、達成感が得られ、継続するモチベーションを高く保つことができます。日々の小さな努力がどれほどの効果を生んでいるのかを具体的に把握しましょう。
6.2.1 水道料金や洗濯回数の変化を記録する
毎月の水道料金の明細書をチェックし、前月や前年同月と比較してみましょう。また、洗濯カレンダーなどを作って洗濯した日や回数を記録するのも効果的です。スマートフォンの家計簿アプリや節水関連アプリの中には、水道使用量を記録・グラフ化できるものもあります。こうしたツールを活用して、節水の成果を「見える化」することで、家族みんなで達成感を共有できます。
記録項目 | 記録方法の例 | ポイント |
---|---|---|
水道使用量・料金 | 水道局の検針票(水道ご使用量のお知らせ)を保管・比較、家計簿アプリに入力 | 前月比、前年同月比で比較すると変化が分かりやすい |
洗濯回数 | カレンダーにシールを貼る、手帳にメモする、専用ノートを作る | 週ごと、月ごとに集計して目標達成度を確認 |
残り湯活用回数 | 洗濯カレンダーに併記、専用のチェックシート作成 | 習慣化の指標になる |
水道局のウェブサイトでも、水道使用量の確認方法や節水に関する情報が提供されています。例えば、東京都水道局のサイトでは、くらしと水道に関する様々な情報が得られます。
参考: 東京都水道局「水道ご使用量等のお知らせ(検針票)の見方」
6.2.2 小さな目標達成でご褒美を設定する
節水をゲーム感覚で楽しむために、小さな目標を設定し、達成できたら家族みんなで喜べるような「ご褒美」を用意するのも良い方法です。「今月は洗濯回数を目標の〇回以内に抑えられたら、週末に好きなデザートを食べる」「半年間、水道料金が目標額を下回ったら、家族で日帰り旅行に行く」など、楽しみながら節水を続けられる工夫を取り入れましょう。目標は無理のない範囲で設定し、達成感を積み重ねていくことが大切です。
7. まとめ
洗濯における水の使用量を減らすことは、水道代の節約という家計へのメリットに加え、限りある水資源を守るという地球環境保護の観点からも非常に重要です。この記事でご紹介した、洗濯機の水位調整や「ためすすぎ」の活用、まとめ洗いやお風呂の残り湯利用といった簡単なコツを日々の洗濯に取り入れることで、無理なく節水を実現できます。今日からできる小さな工夫を積み重ね、節約と環境貢献を両立させましょう。