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【初心者必見】これだけでOK!分かりやすい秋の衣替え前にやるべき洗濯チェックリスト

【初心者必見】これだけでOK!分かりやすい秋の衣替え前にやるべき洗濯チェックリスト

秋の衣替え、夏物衣類をしまう前の洗濯は、来シーズンの黄ばみや虫食いを防ぐために不可欠です。一度しか袖を通していない服でも、目に見えない汗や皮脂汚れは確実に付着しています。この記事では、準備から洗い方、干し方、保管のコツまで、初心者でも迷わない「やるべきこと」を分かりやすいチェックリスト形式で徹底解説。正しいお手入れで、大切なお洋服を来年も気持ちよく着こなしましょう。

1. なぜ秋の衣替え前に洗濯が重要なのか

夏の間、大活躍してくれたお気に入りのTシャツやブラウス、浴衣など。クローゼットにしまう前に「ちょっと面倒だけど、洗濯しておくか」と考える方は多いでしょう。しかし、この衣替え前の洗濯は、単に衣類をきれいにする以上の、非常に重要な意味を持っています。

実は、この一手間をかけるかどうかで、来シーズンお気に入りの服と再会したときの状態が劇的に変わるのです。面倒に感じるかもしれませんが、大切な衣類をダメージから守り、来年も気持ちよく着るための大切な準備。まずはその理由をしっかりと理解しておきましょう。

1.1 来年の黄ばみや虫食いを防ぐため

「ちゃんと畳んでしまったはずなのに、翌年出してみたら襟元が黄ばんでいた…」「お気に入りのニットに穴が開いていた…」そんな悲しい経験はありませんか?これらの主な原因は、収納前に落としきれなかった「汚れ」にあります。

夏服を長期間保管する際に起こりやすいトラブルは、主に「黄ばみ」「虫食い」「カビ・臭い」の3つです。これらはすべて、洗濯によって原因となる汚れを取り除くことで、効果的に防ぐことができます。

衣替えで起こりがちな衣類の3大トラブル
トラブルの種類 主な原因 対策のポイント
黄ばみ 落としきれなかった汗や皮脂汚れが、保管中に酸化して変色したもの。特に脇や襟、袖口に発生しやすい。 見た目は綺麗でも、繊維の奥に残った皮脂汚れまでしっかり落としきることが重要。
虫食い ヒメカツオブシムシやイガなどの衣類害虫の幼虫が、衣類の繊維を食べることによる穴あき。 害虫はウールやカシミヤだけでなく、繊維に付着した皮脂や食べこぼしのシミをエサにするため、汚れを完全に除去することが最大の予防策。
カビ・臭い 汗や皮脂汚れを栄養源に、保管場所の湿気でカビや雑菌が繁殖し、嫌な臭いやシミが発生する。 汚れを落とすのはもちろん、洗濯後は完全に乾燥させてから収納することが不可欠。

このように、収納中の衣類トラブルの多くは、目には見えない汚れが引き起こします。次のシーズンもお気に入りの服を最高の状態で着るために、しまう前の「完璧な洗濯」が何よりも大切なのです。

1.2 一度しか着ていない服も洗濯が必須な理由

「一度、短時間しか着ていないから、洗濯しなくても大丈夫だろう」と考えてしまうことはありませんか?実は、これが衣替えで最も陥りやすい落とし穴です。

たとえ短時間の着用であっても、私たちの身体からは汗や皮脂が分泌されています。特に夏場は、自分では気づかないうちに想像以上の汗をかいているものです。それに加え、外気中のホコリや排気ガス、食事の際のわずかな油ハネなど、目には見えない汚れが確実に衣類に付着しています

これらの「見えない汚れ」こそが、長期間の保管中に化学変化を起こし、黄ばみや虫食いの原因となります。「見た目がきれい=汚れていない」というわけでは決してありません。一度でも袖を通した夏物衣類は、すべて洗濯してから収納することを徹底しましょう。

「少し羽織っただけのカーディガン」や「家で少しだけ着たTシャツ」も例外ではありません。来年の自分への投資だと思って、すべての夏物衣類をしっかり洗濯してから、気持ちよく衣替えを進めましょう。

2. 秋の衣替え洗濯を始める前の準備チェックリスト

夏物衣類を来年も気持ちよく着るためには、洗濯前の「準備」が非常に重要です。面倒に感じるかもしれませんが、このひと手間が衣類の寿命を延ばし、来シーズンの手間を大きく減らしてくれます。ここでは、本格的な洗濯作業に入る前に必ずチェックしておきたい準備項目をリストアップしました。一つひとつ確認しながら、効率よく衣替えを進めましょう。

2.1 最初にやるべき衣類の仕分け作業

衣替えの洗濯で失敗しないための第一歩は、衣類の「仕分け」です。すべての衣類を同じように洗ってしまうと、色移りや型崩れ、縮みといったトラブルの原因になります。大切な衣類を守るためにも、まずは洗濯表示を確認し、素材や色で正しくグループ分けする作業から始めましょう。

2.1.1 洗濯表示タグの確認

衣類の内側についている洗濯表示タグは、その服の「取扱説明書」です。自己流で洗う前に必ず確認し、表示に従うことが衣類を長持ちさせる基本中の基本です。特に、家庭で洗濯できるか、クリーニングに出すべきかの判断はここで行います。2016年12月から国際規格に合わせた新しい表示に変わっているので、改めて意味を確認しておきましょう。

衣替えで特に重要な洗濯表示(一部抜粋)
記号 意味 チェックポイント
洗濯桶の記号 家庭での洗濯 桶の中に書かれた数字は液温の上限を示します。桶の下の線が多いほど、優しく洗う必要があります。×印は家庭洗濯不可なので、クリーニングに出しましょう。
三角形の記号 漂白 三角形のみは塩素系・酸素系どちらも使用可。斜線入りの三角形は酸素系のみ使用可。×印はどちらも使用不可です。黄ばみ対策で漂白剤を使う前に必ず確認してください。
四角形に丸の記号 タンブル乾燥 収納前の衣類は完全に乾かすことが重要ですが、乾燥機の使用可否を確認しましょう。×印はタンブル乾燥禁止。熱に弱いデリケートな素材に多い表示です。
丸にPやFの記号 クリーニング 家庭洗濯不可の表示がある衣類や、スーツ、コート、シルク・レーヨンといった水洗いで型崩れしやすいデリケートな素材のものは、プロに任せるのが安心です。

※画像は消費者庁のウェブサイト等で公開されているものを想定しています。

2.1.2 素材や色によるグループ分け

洗濯表示の確認が終わったら、実際に洗濯するグループに分けていきます。この作業を行うことで、洗濯機を回す回数や使う洗剤の種類が明確になり、段取りがスムーズになります。

  • 白物・淡い色のグループ:黄ばみや黒ずみが目立ちやすいため、他の色物とは分けて洗いましょう。必要に応じて漂白剤を使います。
  • 濃い色のグループ:デニムや色の濃いTシャツなど、色落ち・色移りの可能性があるものはまとめます。特に新しい服は注意が必要です。
  • デリケートな素材のグループ:ニット、ブラウス、レース素材など、おしゃれ着洗いが推奨されるものを分けます。洗濯ネットに入れ、手洗いコースやドライコースで優しく洗いましょう。
  • タオルや厚手の綿素材のグループ:ジーンズやタオルなど、丈夫で汚れが気になるものをまとめます。他の衣類との摩擦による傷みを防ぐため、デリケートな衣類とは一緒に洗わないようにします。

2.2 揃えておくと便利な洗濯アイテム

仕分けが終わったら、次は洗濯に使うアイテムの準備です。普段の洗濯で使っているアイテムに加え、長期保管に備えた「しまい洗い」ならではの特別なケア用品を揃えておくと、仕上がりに大きな差が出ます。

2.2.1 基本の洗濯洗剤とおしゃれ着用洗剤

衣替えの洗濯では、衣類の素材に合わせて洗剤を使い分けることが大切です。普段使いの洗剤とおしゃれ着用洗剤の2種類を準備しましょう。

洗剤の種類 特徴 適した衣類
弱アルカリ性洗剤(普段着用) 洗浄力が高く、皮脂や汗などの酸性の汚れをしっかり落とす。粉末・液体タイプがある。 Tシャツ、ポロシャツ、綿のシャツ、タオル、靴下など
中性洗剤(おしゃれ着用) 洗浄力は穏やかで、衣類へのダメージが少ない。色あせや型崩れ、縮みを防ぐ効果がある。 サマーニット、ブラウス、ワンピース、麻素材の衣類など

特に夏物のデリケートな衣類は、中性洗剤を使って優しく洗うことで、来シーズンも美しい状態を保つことができます。

2.2.2 汗ジミや黄ばみに効果的な酸素系漂白剤

夏服に付着した汗や皮脂汚れは、保管中に酸化して黄ばみの原因になります。目に見えない汚れもしっかり落としきるために、酸素系漂白剤の活用がおすすめです。塩素系漂白剤と違い、色柄物にも安心して使えるのが大きなメリットです。

  • 粉末タイプ:洗浄力が高く、お湯に溶かしてつけ置き洗いに使用するのが効果的。頑固な黄ばみや全体のくすみを取りたいときに最適です。
  • 液体タイプ:直接汚れに塗布しやすく、洗濯機に洗剤と一緒に入れて手軽に使えるのが特徴。軽い汚れの予防や普段使いに向いています。

衣替えの際には、40℃程度のお湯に粉末タイプの酸素系漂白剤を溶かし、30分〜1時間ほどつけ置きしてから洗濯すると、見えない汚れまでスッキリ落とせます。

2.2.3 襟袖汚れに使う部分洗い用洗剤

ワイシャツの襟や袖口、Tシャツの脇など、特に汚れがつきやすい部分には、洗濯機に入れる前の「前処理」が欠かせません。部分洗い用洗剤は、こうした頑固な皮脂汚れをピンポイントで分解してくれます。

  • 液体(直塗り)タイプ:先端がスポンジやブラシになっており、手を汚さずに直接塗布できる。
  • スプレータイプ:広範囲の汚れにシュッと吹きかけるだけで手軽に使える。
  • スティックタイプ:固形石鹸のように汚れに直接こすりつけて使う。泥汚れなどにも強い。

収納前にこのひと手間を加えるだけで、来シーズン出したときに「襟が黄ばんでる…」というがっかり感を防ぐことができます。お気に入りの服を長く着るためにも、ぜひ取り入れてみてください。

3. 【実践】秋の衣替え前にやるべき洗濯手順チェックリスト

準備が整ったら、いよいよ夏物衣類の洗濯です。来年も気持ちよく着られるように、正しい手順で丁寧に洗いましょう。ここでは「下準備」「洗い方」「乾かし方」の3つのステップに分けて、具体的な手順をチェックリスト形式で解説します。

3.1 ステップ1 洗う前の下準備

洗濯機に入れる前のほんのひと手間が、衣類を長持ちさせ、仕上がりを格段にアップさせます。面倒に思える作業ですが、衣替えの洗濯では特に重要です。

3.1.1 ポケットの中身を空にする

うっかり見落としがちなのがポケットの中身です。ティッシュペーパーを一緒に洗ってしまうと、細かくなった紙くずが他の衣類にびっしりと付着し、取り除くのに大変な手間がかかります。また、ペンや鍵などの固いものが入っていると、衣類や洗濯槽を傷つける原因にもなりかねません。洗濯物を洗濯機に入れる直前に、必ず全てのポケットを裏返して確認する習慣をつけましょう。

3.1.2 目立つシミや汚れは前処理する

夏の間についた汗ジミや食べこぼしのシミは、普通の洗濯だけでは完全に落ちきらないことがあります。これらの汚れが残ったまま長期間保管すると、酸化して頑固な黄ばみや変色になってしまいます。洗濯機に入れる前に、シミの種類に合わせた前処理(プレケア)を行うことが、来年の「がっかり」を防ぐ最大のポイントです。

  • 襟や袖の皮脂汚れ・黒ずみ: 直接塗るタイプのエリそで用洗剤を塗り、しばらく置いてから洗濯機へ。
  • 食べこぼしの油ジミ: 食器用中性洗剤を少量つけて軽くもみ洗いし、ぬるま湯ですすいでから洗濯。
  • 全体の汗ジミや黄ばみ: 40℃程度のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、30分〜1時間ほどつけ置きしてから、他の衣類と一緒に洗濯します。

3.1.3 型崩れ防止に洗濯ネットを活用

洗濯ネットは、デリケートな衣類を洗濯時の摩擦や絡まりから守るための必須アイテムです。衣替えでしまう服は、来シーズンもきれいな形で着たいもの。型崩れや毛玉、装飾の破損を防ぐために積極的に活用しましょう。

  • ネットに入れるべき衣類: ブラウス、ニット、ワンピース、装飾(ビーズやレース)付きの服、ランジェリーなど
  • 正しい使い方: 1つのネットに衣類は1枚が基本です。衣類を軽くたたみ、大きすぎず小さすぎない、ジャストサイズのネットを選びましょう。詰め込みすぎは汚れ落ちが悪くなる原因になります。

3.2 ステップ2 衣類の種類別正しい洗い方

衣類の素材や種類によって、適切な洗い方は異なります。洗濯表示を必ず確認し、それぞれの衣類に合ったコースや洗剤を選んで、ダメージを最小限に抑えましょう。

3.2.1 Tシャツや綿素材の服の洗濯方法

夏の主役であるTシャツやポロシャツ、綿素材の衣類は、比較的丈夫で扱いやすいですが、皮脂汚れが蓄積しやすいアイテムです。通常の弱アルカリ性洗剤で問題ありませんが、汗をたくさん吸った衣類は、前処理で紹介した酸素系漂白剤でのつけ置きをプラスすると、見えない汚れまでしっかり落とせます。首元のヨレが気になるTシャツは、洗濯ネットに入れると長持ちします。

3.2.2 ブラウスなどデリケートな服の洗濯方法

レーヨンやポリエステル、レース素材などのブラウスやワンピースは、非常にデリケートです。洗濯表示を確認し、「手洗い」や「ドライクリーニング」のマークがあればそれに従いましょう。洗濯機で洗える場合でも、必ずおしゃれ着用の「中性洗剤」を使い、「手洗いコース」や「ドライコース」などの弱水流コースを選んでください。脱水時間も1分以内など、短めに設定するのが型崩れを防ぐコツです。

3.2.3 浴衣や水着など特別な夏物衣類の洗濯方法

浴衣や水着は、着用シーンが限られている分、特殊な汚れが付着しています。来年もきれいな状態で使うために、それぞれに合った特別なケアを行いましょう。

衣類の種類 洗い方のポイント 注意点
浴衣 基本は「手洗い(押し洗い)」です。洗濯機の場合は、きれいにたたみ大きめの洗濯ネットに入れ、「手洗いコース」で洗います。おしゃれ着用の中性洗剤を使用しましょう。 色落ちしやすいため、必ず単独で洗ってください。脱水は30秒〜1分程度のごく短時間で済ませ、すぐに取り出します。
水着 着用後はすぐに真水で洗い流し、塩分やプールの塩素を落とします。持ち帰ったら、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で優しく「振り洗い」または「押し洗い」をします。 漂白剤や乾燥機、アイロンの使用は絶対に避けてください。生地を傷め、伸縮性を失う原因になります。タオルで挟んで水分を吸い取る「タオルドライ」がおすすめです。

3.3 ステップ3 乾かし方と仕上げのポイント

洗濯が終わった後の「干し方」と「仕上げ」も、衣類を良い状態で保管するための重要な工程です。カビやシワを防ぎ、来シーズンすぐに着られる状態に整えましょう。

3.3.1 色あせや型崩れを防ぐ干し方

強い紫外線は、衣類の色あせや生地の劣化を招く原因となります。特に色の濃い衣類は影響を受けやすいため注意が必要です。衣替えの衣類を干す際は、直射日光を避け、風通しの良い「日陰」で干すことを徹底しましょう。

  • シャツ・ブラウス: 肩幅に合った厚みのあるハンガーにかけ、ボタンを2〜3個留めて形を整えます。干す前にパンパンと軽く叩くとシワが伸びやすくなります。
  • Tシャツ: 首元が伸びないよう、ハンガーは裾から通します。
  • ニット類: ハンガーに干すと重みで伸びてしまうため、「平干しネット」を使うのが理想的です。なければ、物干し竿に袖と身頃をたらすようにして干します。
  • パンツ・スカート: ピンチハンガーなどを使い、ウエスト部分を挟んで筒状にして干すと、内側まで風が通りやすく早く乾きます。

3.3.2 カビ対策の基本は完全乾燥

衣替えで最も避けたいトラブルの一つが「カビ」の発生です。その最大の原因は、衣類に残ったわずかな湿気。表面は乾いているように見えても、ポケットの中や生地の縫い目、厚手の部分は乾きにくいものです。収納する前には、手で触って湿った感じがしないか、隅々まで入念にチェックしてください。天候が優れない場合は、部屋干しで扇風機や除湿機を併用し、完全に乾かしきることが鉄則です。

3.3.3 収納前にアイロンでシワを伸ばす

きれいに洗濯して乾かした衣類も、シワが残ったままでは収納時にかさばり、次のシーズンに着る際に手間がかかります。収納前にアイロンをかけておくことで、シワが伸びて見た目が美しくなるだけでなく、アイロンの熱によって、落としきれなかった雑菌の殺菌や、衣類害虫の卵を死滅させる効果も期待できます。必ず洗濯表示でアイロンがけが可能か、適切な温度は何度かを確認してから行いましょう。スチームを当てることで、繊維がふっくらと仕上がります。

4. 洗濯後も油断禁物 衣類をきれいに保管するコツ

せっかく丁寧に洗濯した夏物衣類も、保管方法を間違えると次のシーズンに取り出したときに「黄ばんでいた…」「虫に食われて穴が…」なんて悲劇が起こりかねません。洗濯は衣替えのゴールではなく、きれいな状態を維持するためのスタートです。ここでは、大切な衣類を来年も気持ちよく着るための、正しい保管のコツを3つのポイントに分けて詳しく解説します。

4.1 収納ケースやクローゼットの掃除

衣類をしまう前に、まずは収納場所をきれいにすることが鉄則です。一見きれいに見えるクローゼットや収納ケースにも、ホコリや髪の毛、そして目には見えない害虫の卵やカビの胞子が潜んでいる可能性があります。これらが衣類に移ると、虫食いやニオイの原因になってしまいます。

次の手順で、収納環境をリセットしましょう。

  1. 中身をすべて出す: まずは収納ケースやクローゼットの中を空にします。この機会に、不要な衣類がないか見直すのもおすすめです。
  2. ホコリやゴミを取り除く: 掃除機を使って、隅々までホコリやゴミを吸い取ります。特に引き出しの角やレールの溝は汚れがたまりやすいポイントです。
  3. 拭き掃除で仕上げる: 固く絞った雑巾で全体を水拭きします。汚れが気になる場合は、水で薄めた中性洗剤を使っても良いでしょう。仕上げにアルコール除菌スプレーを吹きかけておくと、カビ予防に効果的です。
  4. しっかり乾燥させる: 拭き掃除の後は、扉や引き出しを開けたままにして、内部を完全に乾燥させます。湿気が残ったまま衣類をしまうと、カビが繁殖する最悪の環境を作ってしまうため、最低でも1時間以上は風通しを良くして乾かしてください。

月に1〜2回、クローゼットの扉を開けて空気を入れ替えるだけでも、湿気対策として有効です。

4.2 防虫剤と除湿剤の正しい使い方

収納場所をきれいにしたら、次は衣類を守るためのアイテムを正しく設置します。「防虫剤」と「除湿剤」は役割が異なるため、両方を適切に使うことが大切です。

4.2.1 防虫剤で虫食いをブロック

衣類を食べる害虫(ヒメカツオブシムシなど)は、ウールやカシミヤ、シルクといった動物性繊維を好みます。これらの大切な衣類を守るために、防虫剤は必須アイテムです。

  • 置き場所: 防虫剤の成分は空気より重いため、衣類の一番上に置くのが基本です。引き出しならたたんだ衣類の上に、クローゼットならハンガーパイプに吊るすタイプを選びましょう。成分が上から下へ広がり、収納スペース全体に行き渡ります。
  • 使用量の目安: パッケージに記載されている使用量を守りましょう。多すぎても効果が高まるわけではなく、少なすぎると効果が薄れてしまいます。
  • 注意点: 種類の違う防虫剤を混ぜて使うのは絶対に避けてください。化学反応を起こし、衣類にシミが付いたり、プラスチック製のボタンが溶けたりする原因になります。
  • 有効期限: 防虫剤には約6ヶ月〜1年程度の有効期限があります。「おわり」のサインが出るタイプなどを活用し、衣替えのタイミングで新しいものに交換しましょう。
主な防虫剤の種類と特徴
種類 特徴 注意点
ピレスロイド系 ニオイがなく、他の防虫剤と併用できる唯一のタイプ。現在主流。 特にありませんが、使用量は守りましょう。
パラジクロルベンゼン系 効果が早く、防虫効果が高い。独特の強いニオイがある。 塩化ビニルやスチロール樹脂、アクリル樹脂を溶かすことがあるため注意。他の防虫剤との併用は不可。
ナフタリン 効果が長期間持続する。独特のニオイがある。 パラジクロルベンゼン系と同様に、他の防虫剤との併用は不可。
樟脳(しょうのう) 天然成分で、和服の防虫剤として古くから使われている。 他の防虫剤との併用は不可。

4.2.2 除湿剤でカビ・黄ばみを予防

収納スペース内の湿気は、カビの発生はもちろん、衣類の黄ばみを促進させる原因にもなります。除湿剤を設置して、衣類にとって快適な湿度を保ちましょう。

  • 置き場所: 湿気は下にたまる性質があるため、クローゼットや押し入れの床の隅、引き出しの底などに置くのが効果的です。
  • 種類: 広い空間にはタンクタイプの置き型、引き出しや衣装ケースにはシートタイプ、クローゼットのパイプに吊るすハンガータイプなど、場所に合わせて使い分けると良いでしょう。
  • 交換時期: タンクタイプは水がたまったら、シートタイプはゼリー状に固まったら交換のサインです。定期的にチェックする習慣をつけましょう。

4.3 クリーニング後のビニールは外して保管

クリーニングから戻ってきた衣類にかけられているビニール袋。ホコリよけになりそうで、そのままクローゼットにしまいがちですが、これは大きな間違いです。

あのビニールは、あくまで店舗から自宅へ持ち帰る間の汚れ防止やホコリよけのためのもので、保管用ではありません。ビニールをかけたまま保管すると、通気性が悪くなり、内部に湿気がこもってしまいます。この湿気が、カビやニオイ、予期せぬ変色の原因となるのです。

また、クリーニングの溶剤がわずかに残っている場合、ビニール内にガスが充満して化学変化を起こし、黄ばみにつながる可能性も指摘されています。

正しい保管方法は以下の通りです。

  1. ビニールを外す: クローゼットにしまう前に、必ずビニール袋は外してください。
  2. タグを外す: ホチキスで留められた紙のタグも外しましょう。付けたままにしておくと、湿気でホチキスの針が錆びて、衣類にサビが移ってしまうことがあります。
  3. 陰干しする: すぐにしまわず、風通しの良い場所で1〜2時間ほど陰干しし、残っている可能性のある湿気や溶剤を飛ばします。
  4. 不織布カバーにかけ替える: ホコリが気になる場合は、通気性の良い不織布(ふしょくふ)製のカバーにかけ替えてから保管するのが理想的です。大切な衣類を光やホコリから守りつつ、湿気がこもるのを防いでくれます。

ほんのひと手間ですが、この作業をするかしないかで、来シーズンに衣類を取り出したときの状態が大きく変わります。大切な衣類を長く愛用するために、ぜひ実践してください。

5. 秋の衣替え洗濯でよくある質問

秋の衣替え前の洗濯は、普段の洗濯と少し勝手が違うため、様々な疑問が浮かぶものです。ここでは、多くの方が悩みがちなポイントをQ&A形式で詳しく解説します。長期保管を成功させるための最後のチェックとして、ぜひ参考にしてください。

5.1 自宅洗いとクリーニングの判断基準は?

夏物衣類をしまう際、「これは家で洗える?それともクリーニング?」と迷うことはありませんか。衣類を傷めずに来シーズンもきれいに着るためには、この判断が非常に重要です。最も確実な方法は、衣類についている「洗濯表示(洗濯絵表示)」を確認することです。その上で、素材や衣類の種類に応じて判断しましょう。

基本的な判断基準を以下の表にまとめました。

判断基準 自宅洗い向きの衣類 クリーニング推奨の衣類
洗濯表示 「家庭洗濯」のマーク(洗濯桶のマーク)があるもの。 「家庭洗濯不可」(洗濯桶に×)のマークがあるもの。「ドライクリーニング」のマークがあるもの。
素材 綿(コットン)、麻(リネン)、ポリエステル、ナイロンなど、比較的水に強い化学繊維。 ウール、カシミヤ、シルク、レーヨン、キュプラなどの動物性繊維や再生繊維。革、毛皮製品。
衣類の種類 Tシャツ、ポロシャツ、普段着のワンピース、パジャマ、タオルケットなど。 スーツ、ジャケット、コート、フォーマルなワンピース、ダウンジャケット、型崩れさせたくない衣類。
装飾 プリントや刺繍が少ないシンプルなデザインのもの。 ビーズ、スパンコール、レースなどの繊細な装飾が多いもの。プリーツ加工がされているもの。
汚れ・シミ 一般的な汗や皮脂汚れ。 油性ペンキ、機械油、原因不明の古いシミなど、家庭では落としにくい特殊な汚れ。

高価な衣類や、自分での洗濯に少しでも不安を感じる大切な服は、無理せずクリーニングのプロに任せるのが最も安心な選択です。特に、浴衣や水着は自宅で洗えるものも多いですが、絞り染めなど特殊な加工がされている場合は色落ちのリスクがあるため、クリーニングに出すことをおすすめします。

5.2 もし黄ばみができてしまったらどうする?

久しぶりにタンスから出した夏服に、覚えのない黄ばみができていてがっかりした経験はありませんか。この黄ばみの主な原因は、洗濯で落としきれなかった皮脂汚れが、保管中に酸化してしまうことです。しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。多くの黄ばみは、適切なケアで落とすことが可能です。

5.2.1 黄ばみを落とす基本の対処法

用意するものは「粉末タイプの酸素系漂白剤」と「40℃~50℃のお湯」です。液体タイプよりも粉末タイプの方が、皮脂汚れに対する分解力が高い傾向にあります。

  1. つけ置き液を作る
    洗面器やバケツに40℃~50℃のお湯を張り、規定量の酸素系漂白剤をよく溶かします。温度が高すぎると衣類を傷める原因になるので注意してください。
  2. 衣類をつけ置きする
    黄ばみが気になる部分が液にしっかり浸かるようにして、30分~1時間ほどつけ置きします。
  3. すすいで通常洗濯
    つけ置きが終わったら、液ごと洗濯機に入れるか、軽くすすいでから他の洗濯物と一緒に通常通り洗濯します。

この方法を試す際は、必ず衣類の洗濯表示を見て、酸素系漂白剤が使用可能か(三角形のマークを確認)、お湯洗いに対応しているかを確認してください。ウールやシルクなどのデリケートな素材には使えないことが多いので注意が必要です。頑固な黄ばみや、この方法で落ちなかった場合は、クリーニング店の「シミ抜き」や「復元加工」といった専門サービスに相談してみましょう。

5.3 柔軟剤は使っても大丈夫?

衣替え前の洗濯で柔軟剤を使うべきか迷う方も多いですが、結論から言うと「使っても問題ありませんが、選び方と使い方に注意が必要」です。

5.3.1 柔軟剤を使うメリット

  • ごわつきを防ぎ、肌触りを良くする:次のシーズンで袖を通した時の着心地が良くなります。
  • 静電気の発生を抑える:特に空気が乾燥する秋冬に着る際に、不快なパチパチを防ぐ効果が期待できます。

5.3.2 長期保管時の注意点とおすすめの使い方

一方で、注意すべき点もあります。それは「香り」と「成分の残留」です。

  • 香りの問題:香りが強い柔軟剤を使うと、クローゼットや収納ケース内に匂いが充満し、他の衣類にまで移ってしまうことがあります。また、この香りが原因で虫を引き寄せてしまう可能性も指摘されています。
  • 成分残留の問題:柔軟剤の成分が繊維に過剰に残ると、それが酸化して黄ばみの原因になったり、生地の吸水性を損なったりすることがあります。

これらの点を踏まえ、衣替え前の洗濯で柔軟剤を使用する場合は、できるだけ「無香料」または「香りが控えめなタイプ」を選び、製品に表示されている規定量を必ず守るようにしましょう。特に、汗を吸ってほしい肌着やタオル類への使用は避けるか、ごく少量に留めておくのが賢明です。

6. まとめ

来年もお気に入りの夏服を気持ちよく着るために、衣替え前の洗濯は非常に重要です。目に見えない汗や皮脂汚れが、長期保管中に黄ばみや虫食いの原因となるため、一度しか着ていない服でも必ず洗いましょう。本記事で紹介した準備から洗濯、保管までのチェックリストを活用すれば、誰でも簡単にお手入れが可能です。正しい洗濯と保管で、大切な衣類を来シーズンまでしっかり守りましょう。