洗濯機の音がうるさい?原因と対策を徹底解説!これで解決、静かな毎日へ
洗濯機の音がうるさい?原因と対策を徹底解説!これで解決、静かな毎日へ
洗濯機の「ガタガタ」「キーキー」といった不快な騒音にお悩みではありませんか?この記事では、洗濯機のうるさい音の原因を設置状況から部品の劣化まで徹底解説し、自分でできる簡単な対策から専門業者への依頼、買い替えの判断基準まで網羅的にご紹介します。原因を特定し適切な対処法を知ることで、静かで快適な毎日を取り戻しましょう。
1. 洗濯機の音がうるさいと感じたら最初に確認すべきこと
洗濯機から普段聞き慣れない音が聞こえてくると、故障ではないかと不安になりますよね。しかし、すぐに修理を依頼する前に、まずはご自身で確認できる点がいくつかあります。どのような音が、いつ、どのタイミングで発生しているのかを把握することが、原因を特定し、適切な対策を講じるための第一歩となります。また、お使いの洗濯機の種類や設置状況も、騒音の原因を考える上で重要な情報となります。
1.1 洗濯機からどんな音がいつ聞こえるか
洗濯機から発生する音は、その種類や発生タイミングによって、考えられる原因が異なります。まずは、ご自宅の洗濯機からどのような音が聞こえるのか、そしてそれは洗濯のどの工程で発生しているのかを注意深く観察してみましょう。以下に代表的な音の種類と、それが聞こえやすいタイミングをまとめました。
音の種類 | 音の聞こえ方(例) | 主な発生タイミング | 考えられる原因のヒント |
---|---|---|---|
大きな振動音 | ガタガタ、ゴトゴト、ガンガン | 主に脱水時 | 洗濯物の偏り、設置の不安定 |
甲高い摩擦音 | キーキー、キュルキュル、キーン | 回転時(洗い、すすぎ、脱水) | ベルトの劣化、モーター関連部品 |
低くうなるモーター音 | ブーン、ウィーン、ヴーン | 動作中全般(特に負荷時) | モーターの負荷、経年劣化 |
異物音 | カラカラ、コトコト、チャリチャリ | 洗濯槽回転時(洗い、すすぎ) | 洗濯槽内への異物混入 |
これらの音はあくまで一例です。実際にはこれらの音が複合的に発生することもあります。
1.1.1 脱水時のガタガタ ゴトゴトという大きな振動音
洗濯機の騒音トラブルで最も多く聞かれるのが、脱水時の激しい振動音です。「ガタガタ」「ゴトゴト」といった音と共に、洗濯機本体が大きく揺れたり、場合によっては設置場所から少しずつ移動してしまうほどのケースもあります。この音は、洗濯槽が高速回転する際にバランスが崩れることで発生しやすく、特に洗濯物が多い日や、大きな洗濯物を洗った際に顕著になることがあります。
1.1.2 回転時のキーキー キュルキュルといった甲高い摩擦音
洗濯槽の回転中や、モーターが動作している時に「キーキー」「キュルキュル」といった甲高い音が聞こえる場合は、部品同士が擦れていたり、潤滑が不足していたりする可能性が考えられます。この種の音は耳障りであることが多く、放置しておくと部品の摩耗を早めてしまう恐れもあります。特に、洗濯を開始してすぐや、回転が安定するまでの間に聞こえやすい傾向があります。
1.1.3 動作中のブーン ウィーンという低くうなるモーター音
洗濯機が動作している間、特に洗いやすすぎ、脱水の初期段階などで「ブーン」「ウィーン」といったモーター特有のうなり音が聞こえることがあります。これはある程度は正常な動作音である場合もありますが、以前よりも音が大きくなった、あるいは異音が混じるようになった場合は注意が必要です。モーターに過度な負荷がかかっていたり、モーター自体の経年劣化が進んでいるサインかもしれません。
1.1.4 洗濯槽から聞こえるカラカラ コトコトという異物音
洗濯槽が回転する際に「カラカラ」「コトコト」「チャリチャリ」といった軽い物が転がるような音が聞こえる場合、洗濯槽の内部やパルセーター(回転羽根)の裏側、あるいは糸くずフィルターの奥などに異物が入り込んでいる可能性が高いです。ポケットの中に入っていた硬貨やヘアピン、ボタン、小さなプラスチック片などが原因となることがよくあります。これらの異物は、洗濯槽や他の部品を傷つける原因にもなり得るので、早めの対処が望ましいです。
1.2 お使いの洗濯機の種類と設置状況の確認
洗濯機の騒音の原因を探る上で、現在お使いの洗濯機がどのようなタイプで、どのように設置されているかを把握しておくことも非常に重要です。洗濯機の種類によって構造が異なり、発生しやすい音や原因箇所も変わってきます。また、設置状況が不安定であれば、それ自体が騒音の大きな原因となります。
1.2.1 縦型洗濯機かドラム式洗濯機か
家庭用洗濯機には、大きく分けて「縦型洗濯機」と「ドラム式洗濯機」の2つのタイプがあります。それぞれの特徴と、音に関して注意すべき点は以下の通りです。
- 縦型洗濯機:
洗濯槽が縦向きに設置されており、底にあるパルセーター(回転翼)を回転させて水流を作り洗濯します。構造上、洗濯物が片寄りやすく、脱水時の振動音が大きくなりやすい傾向があります。また、モーターやギア、クラッチといった駆動部品からの音も特徴的です。
- ドラム式洗濯機:
洗濯槽が横向きまたは斜め向きに設置されており、ドラムを回転させて洗濯物を持ち上げて落とす「たたき洗い」が基本です。本体の重量が重く、設置時の水平性が非常に重要で、これが保たれていないと大きな振動や騒音が発生しやすくなります。また、ドラムを支えるサスペンションやダンパーといった部品の劣化も音の原因となることがあります。
ご自宅の洗濯機がどちらのタイプかを確認し、それぞれの特性を理解しておきましょう。
1.2.2 洗濯機パン(防水パン)の有無と状態
洗濯機パン(防水パンとも呼ばれます)は、万が一の水漏れ被害を防ぐ目的の他に、洗濯機の振動をある程度吸収し、床への振動伝達を軽減する役割も期待できます。洗濯機パンの有無、そしてその状態を確認しましょう。
- 洗濯機パンがある場合:
洗濯機の脚が洗濯機パンの四隅にしっかりと乗っており、ガタつきがないか確認してください。洗濯機パン自体が床に対して不安定に設置されていたり、パンと洗濯機の間に隙間ができていたりすると、振動が増幅されて騒音の原因となることがあります。
- 洗濯機パンがない場合:
床に直接洗濯機を設置している場合は、床材の種類や強度、水平性が騒音に影響します。特に木造住宅の2階など、床がたわみやすい場所に設置している場合は、振動が床全体に伝わりやすくなることがあります。また、長年の使用で床が部分的に沈み込み、洗濯機が傾いている可能性も考えられます。
洗濯機パンの材質(プラスチック製が一般的)や、脚と接する部分に滑り止めやクッション材が使われているかも確認ポイントです。
2. 洗濯機の音がうるさい考えられる主な原因
洗濯機から聞こえてくる「うるさい音」。その原因は一つとは限りません。設置状況から洗濯物の入れ方、そして洗濯機本体の部品の不具合まで、様々な要因が考えられます。ここでは、洗濯機の音がうるさい場合に考えられる主な原因を詳しく解説していきます。
2.1 設置方法や環境による洗濯機の騒音
洗濯機の騒音問題で意外と多いのが、設置方法や周囲の環境に起因するケースです。まずは基本的な設置状況を確認してみましょう。
2.1.1 洗濯機本体が水平に設置されていない傾き
洗濯機本体が水平に設置されていないと、特に脱水時などに洗濯槽が高速回転する際に大きな振動が発生し、ガタガタ、ゴトゴトといった騒音の原因となります。多くの洗濯機には水準器が内蔵されているか、付属品として水準器が付いています。これらを利用して、本体が正しく水平に置かれているかを確認することが重要です。脚の高さを調整できるタイプであれば、適切に調整しましょう。
2.1.2 床や洗濯機パンとの間に生じている隙間やガタつき
床や洗濯機パン(防水パン)との間に隙間があったり、洗濯機本体がガタついたりしている場合も、振動が増幅されて騒音につながります。特に、長年の使用で床材が沈み込んだり、洗濯機パン自体が変形したりしていることも考えられます。洗濯機を軽く揺すってみて、明らかにガタつきがある場合は、設置面の安定性を高める工夫が必要です。
2.1.3 給水ホースや排水ホースの接触や振動
給水ホースや排水ホースが、洗濯機本体や壁、周囲の物と接触していると、洗濯機の振動が伝わってカタカタという音を立てることがあります。また、ホース自体が振動して音を出すこともあります。ホースの取り回しを確認し、接触している箇所がないか、固定が緩んでいないかなどをチェックしましょう。
2.2 洗濯物の入れ方や種類が原因で洗濯機の音がうるさいケース
日々の洗濯習慣が、騒音の原因になっていることもあります。洗濯物の扱い方を見直してみましょう。
2.2.1 洗濯物の量が多すぎるまたは少なすぎる偏り
洗濯物の量が適切でない(多すぎる、または少なすぎる)と、洗濯槽内でのバランスが崩れやすくなります。特に洗濯物が少なすぎると、脱水時に洗濯物が一箇所に固まりやすく、大きな偏りを生じさせて「ガタガタ」「ドンドン」といった激しい振動音を引き起こすことがあります。逆に多すぎても、洗濯機に過度な負荷がかかり、モーター音や振動が大きくなる原因となります。洗濯機の取扱説明書に記載されている適量を守ることが大切です。
2.2.2 洗濯槽の中で洗濯物が大きく片寄っている
洗濯物が洗濯槽の中で大きく片寄っている状態は、特に脱水工程で顕著な騒音と振動を引き起こします。大きなタオルケットやジーンズなど、水を吸うと重くなるものが一点に集中したり、洗濯ネットに入れたものが他の洗濯物と絡まずに一箇所に固まったりすると、回転バランスが極端に悪化します。洗濯物を入れる際は、できるだけ均等に広げて入れるように心がけましょう。
2.2.3 防水性シートやレインコートなど特殊な衣類の洗濯
防水性シートやレインコート、おねしょシーツ、アウトドアウェアなど、水を通しにくい特殊な衣類を洗濯している場合、脱水時に衣類内部に水が溜まったままになりやすく、洗濯槽のバランスを著しく崩すことがあります。これにより、洗濯機が異常な振動を起こし、大きな音が発生したり、安全のために途中で停止したりすることがあります。これらの衣類を洗濯する際は、必ず洗濯表示や洗濯機の取扱説明書を確認し、指示に従って洗濯モードを選んだり、洗濯ネットを使用したりするなどの対策が必要です。
2.3 洗濯機本体の部品の不具合や故障が原因の騒音
設置や使い方に問題がない場合、洗濯機本体の部品に何らかの不具合や故障が生じている可能性が考えられます。部品の劣化や破損は、様々な種類の異音を引き起こします。
2.3.1 モーターの劣化や故障による異音
モーターの劣化や故障は、洗濯機の運転音全体が大きくなったり、「ブーン」「ウィーン」といった低くうなるような異音が発生したりする原因となります。モーターは洗濯槽を回転させるための心臓部であり、長年の使用や過負荷によって劣化が進行します。異音が徐々に大きくなる場合は注意が必要です。
2.3.2 駆動ベルトの摩耗や緩みによるスリップ音
一部の洗濯機(特に少し前の縦型洗濯機など)では、モーターの回転を洗濯槽やパルセーターに伝えるために駆動ベルトが使用されています。この駆動ベルトが経年劣化により摩耗したり、緩んだりすると、回転時に「キュルキュル」「キーキー」といった甲高いスリップ音が発生することがあります。特に洗濯開始時や脱水開始時など、大きな力が必要なタイミングで音が目立つことがあります。
2.3.3 クラッチ機構やギアの破損(主に縦型全自動洗濯機)
主に縦型全自動洗濯機において、洗い・すすぎと脱水の動作を切り替えるためのクラッチ機構や内部のギアが破損すると、「ガリガリ」「ゴリゴリ」「カチッ、カチッ」といった異音が発生したり、洗濯槽が正常に回転しなくなったりすることがあります。この場合、部品交換が必要になることが多いです。
2.3.4 軸受け(ベアリング)の摩耗やサビによる回転音
洗濯槽の回転軸を支える軸受け(ベアリング)が摩耗したり、サビついたりすると、洗濯槽の回転に伴って「ゴー」「ガー」「ウォンウォン」といった連続的な回転音が発生します。特に脱水時など高速回転する際に音が大きくなる傾向があり、放置すると洗濯槽の回転自体が困難になることもあります。
2.3.5 サスペンションや防振ダンパーの劣化(主にドラム式洗濯乾燥機)
特にドラム式洗濯乾燥機において、洗濯槽の揺れを吸収し、振動を抑える役割を持つサスペンションや防振ダンパーが劣化すると、その効果が低下し、脱水時などに「ガタガタ」「ゴトゴト」といった大きな振動音や衝撃音が発生するようになります。これらの部品は消耗品であり、使用期間に応じて劣化が進行します。
2.3.6 パルセーター(回転翼)の緩みや破損(主に縦型全自動洗濯機)
主に縦型全自動洗濯機の洗濯槽の底で回転し、水流を作り出すパルセーター(回転翼)の固定ネジが緩んだり、パルセーター自体が割れたり破損したりすると、回転時に「カラカラ」「カチカチ」といった異音が発生したり、洗濯物がうまく攪拌されず洗浄力が低下したりすることがあります。ネジの緩み程度であれば、締め直すことで改善する可能性があります。
2.3.7 洗濯槽内部や排水経路への異物の混入
ポケットの中に入れたまま忘れていた硬貨、ヘアピン、ボタン、小さなアクセサリーなどが、洗濯槽の隙間や排水経路に混入し、洗濯時や脱水時に「カラカラ」「コトコト」「ガリガリ」といった異音を発生させることがあります。異物がパルセーターや洗濯槽と接触したり、排水ポンプに詰まったりすると、さらなる故障の原因にもなり得ます。
以下に、主な部品の不具合と発生しやすい異音の例をまとめます。
部品名 | 主な異音・症状の例 | 備考 |
---|---|---|
モーター | ブーン、ウィーン(うなり音)、回転不良に伴う異音 | 洗濯機の心臓部 |
駆動ベルト | キュルキュル、キーキー(スリップ音) | ベルトドライブ式の場合 |
クラッチ機構・ギア | ガリガリ、ゴリゴリ、カチッ(動作切り替え時の異音) | 主に縦型洗濯機 |
軸受け(ベアリング) | ゴー、ガー、ウォンウォン(回転時の連続音、特に脱水時) | 洗濯槽の回転を支える |
サスペンション・防振ダンパー | ガタガタ、ゴトゴト(大きな振動音、衝撃音) | 主にドラム式洗濯機、洗濯槽の揺れを吸収 |
パルセーター(回転翼) | カラカラ、カチカチ、異物が挟まったような音 | 主に縦型洗濯機、洗濯槽底部の回転部品 |
異物混入 | カラカラ、コトコト、ガリガリ、チャリチャリ | 硬貨、ヘアピン、ボタンなど |
3. 自分で試せる洗濯機のうるさい音への対策方法
洗濯機の音がうるさいと感じても、すぐに故障と決めつける必要はありません。多くの場合、ご自身で試せる簡単な対策で騒音を軽減できる可能性があります。ここでは、設置環境の見直しから日常のお手入れまで、具体的な手順を詳しく解説します。これらの対策を試すことで、静かな洗濯環境を取り戻せるかもしれません。
3.1 設置環境の見直しと簡単な調整作業
洗濯機の騒音は、設置方法や周囲の環境が原因であることも少なくありません。まずは以下のポイントを確認し、簡単な調整作業を行ってみましょう。特別な工具が不要な場合も多く、手軽に試せる対策です。
3.1.1 水準器を使った洗濯機の水平設置の確認と調整
洗濯機が正しく水平に設置されていないと、脱水時などに大きな振動や「ガタガタ」「ゴトゴト」といった騒音が発生する主な原因となります。特にドラム式洗濯機は、水平設置が非常に重要です。
確認と調整の手順:
- 水準器の準備:ホームセンターなどで入手できる水準器を用意します。スマートフォンのアプリにも水準器機能がある場合がありますが、専用のもののほうがより正確です。
- 洗濯機の上に水準器を置く:洗濯機の天面、前後左右の各辺に水準器を置き、気泡の位置を確認します。気泡が中央の目盛りの間にあれば水平です。
- 調整脚の調整:傾いている場合は、洗濯機の脚の高さを調整します。多くの洗濯機には、手で回せる調整脚が付いています。対角線上の脚を交互に調整すると、効率よく水平が出せます。調整後は、必ずロックナットを締めて脚を固定してください。
- 再確認:調整後、再度水準器で水平を確認し、洗濯機を軽く揺すってみてガタつきがないか確かめます。
水平設置は、騒音対策だけでなく、洗濯機の性能維持や寿命にも関わる重要なポイントです。定期的に確認することをおすすめします。
3.1.2 防振ゴムや防音マットの活用で振動を軽減
洗濯機本体の振動が床に伝わることで、騒音が階下や隣室に響いてしまうことがあります。防振ゴムや防音マットを洗濯機の脚の下に敷くことで、振動を吸収し、騒音を効果的に軽減できます。様々な種類の製品がありますので、設置場所や洗濯機の種類に合わせて選びましょう。
対策グッズの種類 | 主な素材 | 特徴と期待できる効果 |
---|---|---|
防振ゴム(脚用パッドタイプ) | 硬質ゴム、特殊ゴム | 洗濯機の四隅の脚の下に設置。ピンポイントで振動を吸収し、ガタつきを抑える。比較的安価で手軽に導入可能。 |
防振マット(シートタイプ) | ゴム、EVA樹脂、コルクなど | 洗濯機全体の下に敷くタイプ。広範囲の振動を吸収し、床への衝撃を緩和。防音効果も期待できるものがある。洗濯パンの有無やサイズに合わせて選ぶ。 |
かさ上げ台(防振機能付き) | プラスチック、ゴム | 洗濯機の下に空間を作り、排水ホースの取り回し改善や掃除のしやすさ向上に加え、防振ゴムが一体化している製品もある。 |
これらのグッズを選ぶ際は、洗濯機の重量やサイズに対応しているかを必ず確認してください。また、設置することで洗濯機の高さが変わるため、給水蛇口や排水口の位置との兼ね合いも考慮しましょう。
3.1.3 給水ホースや排水ホースの取り付け位置の調整
意外な盲点として、給水ホースや排水ホースが壁や洗濯機本体、他の物に接触して振動し、音を発生させているケースがあります。特に脱水時など洗濯機が大きく振動する際に、ホースがぶつかって「カタカタ」「コンコン」といった音が出ることがあります。
確認と調整のポイント:
- ホースが洗濯機本体や周囲の壁、棚などに触れていないか確認します。
- ホースが長すぎてたるんでいる場合は、適切な長さに調整するか、たるまないように結束バンドやホースクリップで軽く束ねて固定します。ただし、ホースを強く折り曲げたり、きつく縛りすぎたりすると水漏れや排水不良の原因になるため注意が必要です。
- 排水ホースが排水口にしっかりと接続されているか、途中で折れ曲がったり潰れたりしていないかも確認しましょう。
これらの簡単な調整で、気になる接触音を解消できる場合があります。
3.2 洗濯物の入れ方の工夫で騒音を抑える
洗濯物の入れ方ひとつで、洗濯機の運転音、特に脱水時の振動音は大きく変わります。洗濯槽内でのバランスの偏りが騒音の大きな原因となるため、以下の点に注意してみましょう。
3.2.1 洗濯物の量を適切に保ちバランスよく入れる
洗濯物の量が多すぎると、洗濯機に過度な負担がかかり、モーター音や振動が大きくなる原因となります。逆に、少なすぎても洗濯槽の中で衣類が偏りやすく、脱水時に「ガタガタ」という大きな音や振動を引き起こすことがあります。
適切な入れ方のコツ:
- 洗濯機の取扱説明書に記載されている洗濯容量の7~8割程度を目安に洗濯物を入れましょう。
- 大きな洗濯物(シーツ、タオルケットなど)と小さな洗濯物(下着、靴下など)をバランスよく混ぜて入れることで、槽内での偏りを防ぎます。
- 重い衣類(ジーンズ、厚手のトレーナーなど)は、洗濯槽の底に均等に広げるように入れると安定しやすくなります。
- 洗濯物を投入する際は、一枚ずつ広げて入れると絡まりにくく、バランスも取りやすくなります。
3.2.2 洗濯ネットを効果的に使用して片寄りを防止
洗濯ネットは衣類の保護だけでなく、洗濯槽内での片寄りを防ぎ、騒音を軽減する効果も期待できます。特に、以下のような衣類は洗濯ネットの活用が効果的です。
- タオルやバスタオル:水を吸うと重くなり、片寄りの原因になりやすい。
- デリケートな衣類や装飾のある衣類:型崩れや傷みを防ぎつつ、他の洗濯物との絡まりを防ぐ。
- 長袖のシャツやズボン:袖や裾が他の洗濯物に絡みつき、大きな塊となって片寄るのを防ぐ。
洗濯ネットを使用する際は、ネットのサイズに合った量の衣類を入れ、詰め込みすぎないことがポイントです。ネットの中で衣類がある程度動ける余裕を持たせましょう。複数のネットを使用する場合は、それらが偏らないようにバランスよく配置することも大切です。
3.2.3 防水性衣類を洗う際は取扱説明書を確認
レインコート、ウィンドブレーカー、スキーウェア、おねしょシーツなどの防水性や撥水性の高い衣類は、洗濯時に注意が必要です。これらの衣類は水を通しにくいため、脱水時に洗濯槽内に水が溜まったまま高速回転し、異常な振動や騒音、さらには洗濯機の転倒や故障を引き起こす可能性があります。
対処法:
- まず、衣類の洗濯表示を確認し、洗濯機で洗えるか、手洗いのみかを確認します。
- 洗濯機で洗える場合でも、必ず洗濯機の取扱説明書で防水性衣類を洗う際の指示を確認してください。多くのメーカーでは、「手洗いコース」や「ソフトコース」などの弱水流コースを選び、脱水時間を短くするか、脱水自体を行わないよう推奨しています。
- 一部の洗濯機には「防水シートコース」などが搭載されている場合もあります。
- 洗濯ネットに入れる、他の洗濯物とは別に洗うなどの対策も有効です。
安全に洗濯するためにも、メーカーの指示に従うことが最も重要です。
3.3 洗濯機本体の日常的なお手入れとメンテナンス
洗濯機本体の定期的なお手入れも、騒音の予防や軽減につながります。見落としがちなポイントをチェックし、清潔で快適な洗濯を維持しましょう。
3.3.1 糸くずフィルターや乾燥フィルターの定期的な清掃
洗濯機には、洗濯中に出る糸くずやホコリをキャッチする「糸くずフィルター(ごみ取りネット)」が付いています。また、乾燥機能付き洗濯機には「乾燥フィルター」があります。これらのフィルターが目詰まりすると、水の流れや空気の流れが悪くなり、洗濯効率の低下だけでなく、モーターに負荷がかかり異音が発生したり、排水がスムーズに行われず騒音の原因になったりすることがあります。
お手入れの目安:
- 糸くずフィルター:洗濯のたびに清掃するのが理想です。最低でも週に1回は確認し、溜まったゴミを取り除きましょう。
- 乾燥フィルター:乾燥運転のたびに清掃します。ホコリが溜まりやすく、放置すると乾燥効率の低下や火災の原因にもなり得ます。
フィルターの清掃方法は機種によって異なりますので、取扱説明書を確認してください。多くは簡単に取り外して水洗いできます。
3.3.2 洗濯槽クリーナーを使った洗濯槽の洗浄
目に見えない洗濯槽の裏側には、洗剤カス、石鹸カス、水アカ、そしてそれらを栄養源とするカビなどが付着しています。これらの汚れが蓄積すると、洗濯物に黒いカスが付着したり、嫌なニオイの原因になるだけでなく、剥がれ落ちた大きな汚れの塊が洗濯槽の回転を妨げたり、排水経路に詰まったりして異音や騒音を引き起こすことがあります。
洗濯槽洗浄のポイント:
クリーナーの種類 | 主成分 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
塩素系クリーナー | 次亜塩素酸ナトリウム | 強力な殺菌力でカビを分解・除去。短時間で効果が出やすい。 | ツンとした臭いがあるため換気が必要。「混ぜるな危険」表示に注意し、酸性タイプの製品と併用しない。衣類への付着による色落ちに注意。 |
酸素系クリーナー | 過炭酸ナトリウム | 発泡力で汚れを剥がし取る。塩素系のような刺激臭が少ない。環境への負荷が比較的少ない。 | 剥がれた汚れが浮遊するため、洗浄後にゴミ取りが必要な場合がある。塩素系に比べると効果が出るまでに時間がかかることがある。お湯を使うと効果が高まる。 |
1~2ヶ月に1回程度の定期的な洗濯槽洗浄を心がけましょう。洗濯機によっては「槽洗浄コース」が搭載されているので、取扱説明書に従って適切なクリーナーを使用してください。
3.3.3 パルセーターの固定ネジの増し締め確認(縦型洗濯機の場合)
縦型洗濯機の洗濯槽の底にある回転翼「パルセーター」は、ネジで固定されています。長年の使用により、この固定ネジが緩んでしまうと、パルセーターがガタつき、「カラカラ」「カチカチ」といった異音が発生することがあります。
確認と調整の手順(必ず電源プラグを抜いてから行ってください):
- パルセーターの中心部にあるキャップをマイナスドライバーなどで慎重に取り外します(機種によりキャップがない場合もあります)。
- 中央に見えるネジ(多くはプラスネジまたは六角ネジ)を、適合するドライバーやレンチで時計回りに軽く締めてみます。
- 強く締めすぎると破損の原因になるため、適度な力で、緩みがなくなる程度に締めてください。
- キャップを元に戻します。
ご自身での作業に不安がある場合や、ネジを締めても改善しない場合は、無理せず専門業者に相談しましょう。
3.3.4 輸送用固定ボルトが装着されたままになっていないか確認(新品設置時)
これは主にドラム式洗濯機や一部の縦型洗濯機で、新品購入時や引っ越し後の再設置時に見られるトラブルです。洗濯機は輸送中の振動で内部のドラム(洗濯槽)やモーターが破損しないように、「輸送用固定ボルト(または固定金具)」で内部機構が固定されています。
この輸送用固定ボルトを取り外さずに運転してしまうと、洗濯機が激しく揺れたり、異常な大きな音(「ガンガン」「ゴゴゴ」といった衝撃音)が発生したりし、最悪の場合は洗濯機本体が故障してしまいます。
確認と対処法:
- 洗濯機の背面や側面を確認し、数カ所ある輸送用固定ボルトが取り外されているか確認します。ボルトの形状や位置は機種によって異なります。
- 必ず洗濯機の取扱説明書で、輸送用固定ボルトの有無、位置、取り外し方を確認してください。
- もし装着されたままだった場合は、電源プラグを抜き、取扱説明書の指示に従って速やかに取り外してください。取り外したボルトは、将来の引っ越しなどで再度必要になる場合があるため、大切に保管しておきましょう。
設置業者に依頼した場合でも、稀に見落としがある可能性もゼロではありません。特に新品の洗濯機を使い始めてすぐに異常な振動や騒音がある場合は、まずこの点を確認してみてください。
4. 自分で対処が難しい場合の洗濯機の音への対応
洗濯機の異音に対して自分でできる対策を試しても改善が見られない、あるいは原因の特定が難しい場合は、無理に自分で解決しようとせず、専門知識を持つプロに相談することが賢明です。特に、洗濯機は水と電気を扱う家電製品であり、誤った対処はさらなる故障や思わぬ事故につながる危険性も否定できません。ここでは、専門業者やメーカーに相談する具体的な判断基準、修理を依頼する際の流れや費用の目安、そして修理ではなく買い替えを検討すべきタイミングについて詳しく解説します。
4.1 家電修理の専門業者やメーカーに相談する判断基準
以下のような症状が見られる場合は、速やかに使用を中止し、専門家への相談を検討しましょう。これらのサインは、洗濯機内部で深刻な問題が発生している可能性を示唆しています。
4.1.1 異音が改善せず徐々に大きくなる場合
自分で試せる対策を行っても異音が小さくならない、むしろ以前よりも音が大きくなってきた、あるいは音の種類が変わってきたという場合は、内部部品の摩耗や破損が進行している可能性が高いです。例えば、モーターやベアリング、ギアなどの駆動系部品の不具合が考えられます。このような状態で使用を続けると、他の部品にも悪影響を及ぼし、修理箇所が増えたり、最終的には修理不能になったりするリスクがあります。
4.1.2 焦げ付くような異臭が伴う場合
洗濯機の運転中に、プラスチックが溶けるような臭いや焦げ臭いニオイがする場合は、非常に危険な状態です。モーターの過熱、電気配線のショート、基板の焼損などが原因として考えられ、最悪の場合、発煙や発火に至る可能性もあります。このような異臭を感じたら、直ちに洗濯機の運転を停止し、電源プラグをコンセントから抜いて、メーカーのサポート窓口や専門の修理業者に連絡してください。
4.1.3 操作パネルにエラーコードが表示される場合
最近の洗濯機は、自己診断機能を搭載しており、何らかの異常を検知すると操作パネルにエラーコードを表示してお知らせします。取扱説明書には、各エラーコードが示す内容と簡単な対処法が記載されていますが、指示に従ってもエラーが解消しない、あるいは取扱説明書に「販売店または修理窓口にご相談ください」といった記載がある場合は、専門家による点検・修理が必要です。エラーコードは故障箇所を特定する重要な手がかりとなるため、相談する際には必ず伝えましょう。
4.2 洗濯機の修理を依頼する際の流れと費用の目安
洗濯機の修理を依頼する場合、主にメーカーのサポート部門か、地域の家電修理専門業者のどちらかに連絡することになります。それぞれに特徴があるため、状況に応じて選択しましょう。
4.2.1 メーカーサポートと街の修理専門業者の違い
メーカーサポートと街の修理専門業者には、それぞれメリットとデメリットがあります。以下の表を参考に、ご自身の状況や優先順位に合わせて依頼先を検討してみてください。
項目 | メーカーサポート | 街の修理専門業者 |
---|---|---|
安心感・信頼性 | 自社製品に関する知識が豊富で、純正部品を使用するため高い。 | 業者により技術力や対応に差がある場合があるが、地域密着で評判の良い業者も多い。 |
修理技術・専門性 | 製品の設計や構造を熟知しており、複雑な故障にも対応しやすい。 | 様々なメーカーの製品を扱うため幅広い知識を持つが、特定機種の深い知識はメーカーに劣る場合も。 |
部品の調達 | 純正部品の在庫が豊富で、スムーズな調達が期待できる。 | 純正部品の取り寄せに時間がかかる場合や、汎用部品を使用する場合がある。 |
料金 | 一般的に出張費、技術料、部品代が明確だが、やや高めになる傾向がある。 | メーカーより安価な場合があるが、料金体系は業者により異なるため確認が必要。 |
対応の速さ | 受付窓口が整備されているが、修理担当者の派遣までに時間がかかる場合がある。 | 地域密着型の場合、比較的迅速に対応してくれることがある。 |
保証 | 修理後の保証が付く場合が多い。保証期間内の故障であれば無償または割引修理の対象になることも。 | 業者独自の保証が付く場合があるが、内容は確認が必要。 |
保証期間内であれば、まずはメーカーサポートに連絡するのが基本です。保証期間が過ぎている場合は、複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討すると良いでしょう。
4.2.2 洗濯機の修理にかかる一般的な費用相場
洗濯機の修理費用は、故障箇所や交換部品、洗濯機の種類(縦型かドラム式か)、メーカー、依頼する業者によって大きく変動します。一般的に、出張費、技術料、部品代の合計で構成されます。以下はあくまで目安として参考にしてください。
故障箇所・症状 | 修理費用の目安(出張費・技術料込み) |
---|---|
給水弁の故障(給水できない、水が止まらない) | 約10,000円~25,000円 |
排水弁・排水ポンプの故障(排水できない) | 約12,000円~30,000円 |
駆動ベルトの交換(回転が弱い、異音がする) | 約8,000円~20,000円 |
モーターの故障(回転しない、異常な音や振動) | 約20,000円~50,000円(ドラム式は高額になる傾向) |
制御基板の故障(動作しない、エラー表示) | 約20,000円~40,000円 |
軸受け(ベアリング)の交換(脱水時の大きな異音・振動) | 約25,000円~60,000円(分解作業が大規模なため高額) |
ドアロック部品の故障(ドラム式でドアが開かない・閉まらない) | 約10,000円~25,000円 |
正確な費用は、必ず修理業者に見積もりを依頼して確認しましょう。見積もり無料の業者もあれば、診断料や出張費がかかる場合もあるため、事前に確認することが大切です。また、複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。
4.3 洗濯機の買い替えを検討すべきタイミングとは
修理費用が高額になる場合や、洗濯機自体の寿命が近い場合は、修理するよりも新しい洗濯機に買い替えた方が経済的かつ快適になることがあります。買い替えを検討すべき具体的なタイミングについて解説します。
4.3.1 修理費用が高額になり買い替えと大差ない場合
修理の見積もり金額が、同等クラスの新しい洗濯機の購入価格の半分を超えるような場合は、買い替えを検討する一つの目安となります。例えば、修理に5万円かかるところ、新しい洗濯機が8万円で購入できるのであれば、長期的な視点で見ると買い替えの方がメリットが大きい可能性があります。特に複数の箇所が故障している場合や、主要部品(モーターや制御基板など)の交換が必要な場合は、修理費用が高額になりがちです。
4.3.2 購入から長期間経過している場合(設計上の標準使用期間の超過)
家電製品には、安全上支障なく使用できる標準的な期間として「設計上の標準使用期間」が定められています。多くの洗濯機では、おおむね6年から8年程度と表示されています(お使いの洗濯機の取扱説明書や本体表示をご確認ください)。この期間を大幅に超えて使用している洗濯機は、今回修理した箇所以外にも、近いうちに別の部品が故障するリスクが高まっています。また、メーカーによっては部品の保有期間(通常は製造打ち切り後6~8年程度)が終了し、修理部品が入手できなくなることもあります。このような場合は、修理よりも買い替えを検討するのが賢明です。
5. 洗濯機の騒音を未然に防ぐための予防策と心がけ
洗濯機の騒音は、ある日突然大きくなることもありますが、日頃からのちょっとした心がけやお手入れで、その発生リスクを大幅に軽減できます。ここでは、洗濯機を長く静かに使い続けるための予防策と、普段から意識したいポイントを詳しく解説します。これらの対策を実践することで、洗濯機の寿命を延ばし、快適な洗濯ライフを送ることにも繋がります。
5.1 日頃からできる洗濯機のお手入れと点検
洗濯機を快適に使用し続けるためには、定期的なお手入れと点検が欠かせません。これらを怠ると、汚れや部品の劣化が騒音の原因となることがあります。以下のポイントを参考に、日頃から洗濯機の状態をチェックし、トラブルの芽を早期に摘み取ることを意識しましょう。
5.1.1 定期的なフィルター清掃でトラブル防止
洗濯機には、洗濯中に発生する糸くずやホコリをキャッチするためのフィルターが備わっています。これらのフィルターが目詰まりすると、水の流れが悪くなったり、洗濯槽内に汚れが再付着したりするだけでなく、異常な音の原因になることもあります。清潔な洗濯を維持し、洗濯機への負担を軽減するためにも、こまめな清掃が重要です。
- 糸くずフィルター(くず取りネット): 洗濯のたびに、あるいは最低でも週に1回は清掃しましょう。取り外してゴミを捨て、水洗いして乾燥させます。フィルターの素材によっては、古い歯ブラシなどを使うと細かな汚れも落としやすいです。
- 乾燥フィルター(ドラム式洗濯乾燥機の場合): 乾燥機能を使用するたびに清掃が必要です。ホコリが溜まりやすく、放置すると乾燥効率の低下や異臭、最悪の場合は火災の原因にもなりかねません。取扱説明書に従い、奥に溜まったホコリも定期的に掃除機などで吸い取るようにしましょう。
- 給水フィルター(給水ホース接続部): 水道水に含まれる砂やサビなどを取り除くフィルターです。地域や水質によって汚れ具合は異なりますが、半年に一度程度、取扱説明書に従って点検・清掃しましょう。詰まると給水量が減り、給水時間が長くなったり、異音が発生したりすることがあります。
5.1.2 洗濯槽の定期的な洗浄で清潔さと静音性を保つ
洗濯槽の裏側は、洗剤カスや水垢、カビなどが付着しやすく、これらが固着・剥離することで異物となり、回転時に異音や異臭の原因となることがあります。月に1回程度、市販の洗濯槽クリーナー(塩素系または酸素系)を使用して洗浄することをおすすめします。特に、梅雨時期や湿度の高い季節はカビが繁殖しやすいため、念入りに行いましょう。洗濯槽クリーナー使用後は、槽内にクリーナー成分が残らないよう、しっかりとすすぎ運転を行うことも大切です。
お手入れ箇所 | 推奨頻度 | 主な目的と効果 |
---|---|---|
糸くずフィルター | 毎回~週に1回 | 糸くず除去、排水不良防止、洗濯物への再付着防止 |
乾燥フィルター(ドラム式) | 乾燥ごと | ホコリ除去、乾燥効率維持、火災予防、異臭防止 |
給水フィルター | 半年に1回程度 | 異物除去、給水不良防止、給水時の異音防止 |
洗濯槽 | 月に1回程度 | カビ・汚れ除去、異臭・異音防止、衣類への汚れ付着防止 |
5.1.3 排水口・排水トラップの点検と清掃
排水口や排水トラップに糸くずや髪の毛、ヘドロなどが詰まると、排水がスムーズに行われず、洗濯機本体に負荷がかかり異音が発生したり、水漏れの原因になったりします。月に1回程度は排水トラップを分解して清掃しましょう。排水ホースが折れ曲がっていたり、潰れていたりしないかも確認してください。排水経路を清潔に保つことは、洗濯機全体のパフォーマンス維持に不可欠です。
5.1.4 給水ホース接続部の水漏れ確認と本体の水平確認
給水ホースの接続部(蛇口側と洗濯機側)が緩んでいると、水漏れだけでなく、給水時の振動や「ガタガタ」といった異音の原因になることがあります。定期的に緩みがないか確認し、必要であれば締め直しましょう。また、洗濯機が水平に設置されていないと、脱水時などに大きな振動や騒音が発生します。月に1回程度、水準器を使って確認し、傾いている場合は洗濯機本体の脚の高さを調整して水平を保ってください。これにより、無駄な振動を抑え、部品の摩耗も軽減できます。
5.1.5 異音・異臭の早期発見と対処
普段と違う音や臭いに気づいたら、それは洗濯機からのSOSサインかもしれません。小さな異常を見逃さず、早期に対処することで、大きな故障や高額な修理を防ぐことができます。「洗濯機の音がうるさいと感じたら最初に確認すべきこと」で挙げたような音の種類やタイミングを意識し、異常を感じたら取扱説明書を確認したり、原因を特定したりするようにしましょう。早期発見が、結果的に修理費用を抑えることにも繋がります。
5.2 洗濯機に負担をかけない正しい使用方法の徹底
洗濯機の使い方一つで、本体にかかる負担は大きく変わります。誤った使い方は騒音だけでなく、故障の原因にも繋がるため、日頃から正しい使用方法を心がけ、洗濯機と長く付き合っていくための知識を身につけましょう。
5.2.1 洗濯物の適量投入でバランスを保つ
洗濯物の量が多すぎると、モーターに過度な負荷がかかり、回転が不安定になって大きな音や振動が発生します。逆に、少なすぎても洗濯槽内で洗濯物が片寄りやすく、同様に騒音の原因となります。洗濯物の量は、洗濯槽の7~8割程度を目安にし、詰め込みすぎないようにしましょう。取扱説明書に記載されている洗濯容量(kg)を守ることが基本です。特に厚手のものや水を吸いやすいものは、見た目以上に重くなるため注意が必要です。
5.2.2 洗濯物の片寄り防止で振動を抑制
特に大きな洗濯物(シーツ、タオルケットなど)や、水を吸って重くなるもの(ジーンズ、柔道着など)を洗う際は、洗濯槽の中で片寄らないように注意が必要です。洗濯ネットを効果的に使用したり、大きなものと小さなものをバランスよく入れたりすることで、片寄りを防ぎ、脱水時の激しい振動や「ガタガタ」「ゴトゴト」といった騒音を抑えることができます。洗濯ネットは衣類の保護だけでなく、片寄り防止にも役立ちます。
5.2.3 洗剤・柔軟剤の適量使用でトラブル回避
洗剤や柔軟剤を多く入れすぎると、溶け残りが洗濯槽や衣類に付着し、カビや雑菌の繁殖、さらには排水経路の詰まりを引き起こす可能性があります。これらが異音や故障の原因となることも。必ず製品に記載されている適量を守り、投入口も定期的に清掃しましょう。特に高濃縮タイプの洗剤は少量で効果があるため、入れすぎに注意が必要です。洗剤の自動投入機能がある洗濯機でも、定期的な投入経路の清掃を忘れずに行いましょう。
5.2.4 ポケットの中身確認で異物混入を防ぐ
洗濯前に衣類のポケットの中を必ず確認しましょう。コイン、鍵、ヘアピン、ティッシュペーパーなどの異物が洗濯槽内に入り込むと、回転時に「カラカラ」「ガリガリ」といった異音を発生させるだけでなく、洗濯機本体(パルセーターや洗濯槽)や他の洗濯物を傷つける原因になります。特に小さな子供がいる家庭では、おもちゃなどが紛れ込んでいないか注意が必要です。洗濯前のひと手間が、大きなトラブルを防ぎます。
5.2.5 防水性衣類の洗濯方法を遵守する
レインコート、ウィンドブレーカー、おねしょシーツ、防水性の高いテーブルクロスなどの防水性や透湿性の低い衣類は、そのまま洗濯すると水が抜けずに洗濯槽内で風船のように膨らみ、異常振動や転倒、故障の原因となることがあります。洗濯する際は、必ず洗濯表示や洗濯機の取扱説明書を確認し、「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」など、水流の弱いコースを選んだり、脱水時間を短くする、または脱水しないなどの指示に従ってください。洗濯ネットに入れることも有効な場合がありますが、製品によっては禁止されている場合もあるため、必ず確認しましょう。
5.2.6 長時間の連続運転を避けてモーターを保護
一日に何度も連続して洗濯機を運転させると、モーターや基板に熱がこもり、部品の劣化を早める可能性があります。特に夏場など気温が高い時期は注意が必要です。洗濯機を連続して使用する場合は、最低でも30分~1時間程度の間隔を空けるようにし、モーターや内部部品を休ませる時間を作りましょう。これにより、熱による部品へのダメージを軽減し、長期的な安定動作に繋がります。
5.3 必要に応じた専門業者による定期点検の検討
日常のお手入れや正しい使用方法を心がけていても、長年使用していると部品の摩耗や劣化は避けられません。大きなトラブルが発生する前に、専門業者による定期点検を検討することも、洗濯機を長持ちさせるための一つの有効な手段です。
5.3.1 定期点検のメリット:早期発見と寿命延長
専門業者による定期点検では、普段の目視では確認できない内部部品の状態や、専門知識がないと判断できない劣化の兆候を早期に発見できます。例えば、ベルトの緩みやモーターの異音、給排水関連部品の微細な亀裂などです。これにより、軽微な不具合のうちに修理や部品交換を行うことができ、結果として洗濯機の寿命を延ばすことに繋がります。また、突然の故障による不便や、結果的に高額な修理費用が発生するリスクを低減できます。
5.3.2 点検を依頼するタイミングの目安
洗濯機の設計上の標準使用期間(多くの製品で7年~10年程度、製品に表示されています)が近づいてきた頃や、以下のような兆候が見られた場合は、定期点検を検討する良いタイミングと言えるでしょう。 もし、お使いの洗濯機の取扱説明書やメーカー公式サイトで情報が見つからない場合は、一般財団法人家電製品協会のウェブサイトで設計上の標準使用期間に関する情報を確認することもできます。
- 以前よりも音が大きくなった、または異音がするようになった(キーキー音、ブーン音など)。
- 脱水がうまくいかない、エラーが頻繁に表示される。
- 洗濯時間が以前より長くなった、または途中で止まることがある。
- 洗濯機の下や周囲に水漏れの形跡がある。
- 焦げ臭いような異臭がする。
メーカーによっては、有料の点検サービスを提供している場合があります。お使いの洗濯機のメーカーサポートに問い合わせてみるのも良いでしょう。
5.3.3 信頼できる業者の選び方
定期点検や修理を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。メーカーのサービス部門や、地域で長年営業している実績のある家電修理専門店などが候補となります。事前に見積もりを取り、作業内容や費用について十分に説明を受けるようにしましょう。複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」も有効です。口コミや評判を参考にすることも有効ですが、最終的にはご自身の判断で納得できる業者を選びましょう。修理部品の保有期間なども確認しておくと安心です。
洗濯機の騒音を未然に防ぐためには、日々の少しの注意と手間が大切です。これらの予防策を実践することで、洗濯機をより長く、より静かに、そして快適に使用し続けることができるでしょう。愛着のある家電を大切に使うことは、経済的なメリットだけでなく、環境負荷の低減にも繋がります。
6. まとめ
洗濯機の騒音は、設置状況、洗濯物の入れ方、部品の劣化など様々な原因で発生します。この記事で解説した原因の特定方法と対策を試すことで、多くの場合、ご自身で改善できる可能性があります。しかし、それでも解決しない場合や、異臭・エラー表示がある場合は、無理せず専門業者に相談しましょう。この記事が、洗濯機の騒音に悩むあなたの助けとなり、静かで快適な毎日を取り戻す一助となれば幸いです。