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そのやり方NGかも?大切な服を守る、秋の衣替えで必ずやるべきトップ3

そのやり方NGかも?大切な服を守る、秋の衣替えで必ずやるべきトップ3

秋の衣替え、毎年なんとなく済ませていませんか?そのやり方では、お気に入りの夏服が黄ばみや虫食いで来シーズン着られなくなるかもしれません。この記事では、大切な服の寿命を延ばすために「必ずやるべきことトップ3」をランキング形式で解説します。しまう前の「徹底的な洗濯」、カビや虫から守る「万全な保管対策」、来シーズン着やすい「収納の工夫」という3つのポイントを押さえるだけで、衣替えの失敗はもうありません。

1. はじめに 秋の衣替えが大切な服の寿命を決める

朝晩の空気にひんやりとした秋の気配を感じるようになると、そろそろ考え始めるのが「衣替え」。クローゼットの奥から長袖のシャツやニットを引っ張り出し、活躍してくれた夏服をしまう、季節の恒例行事です。しかし、この秋の衣替えを「ただ夏服を収納ケースに詰めるだけの作業」だと思っていませんか?もしそうなら、あなたの大切な服の寿命を縮めているかもしれません。

実は、秋の衣替えのやり方ひとつで、お気に入りの服が来シーズンも美しい状態で着られるか、それとも黄ばみや虫食いで二度と着られなくなってしまうかが決まります。面倒に感じる衣替えですが、ほんの少しの手間と正しい知識を持つだけで、来年の夏、気持ちよくお気に入りの服と再会できるのです。この記事では、プロが実践する「絶対にやるべきこと」をトップ3形式で徹底解説します。

1.1 面倒だからと後回しは危険!衣替えをサボるリスク

「まだ暑い日もあるし、もう少し後でいいかな…」と衣替えを後回しにしたり、適当に済ませてしまったりすると、収納している間に服は深刻なダメージを受けてしまいます。具体的にどのようなリスクがあるのか、下の表で確認してみましょう。

リスクの種類 主な原因 来シーズンに起こる悲劇の例
黄ばみ・シミ 洗濯で落としきれなかった汗・皮脂汚れの酸化 お気に入りの白いTシャツの襟元や脇の部分が、くっきりと黄色く変色してしまう。
虫食い 汚れ(食べこぼし・皮脂)や湿気を好む衣類害虫 大切にしていたカシミヤのニットに、ポツポツと小さな穴が開いてしまう。
カビ・嫌なニオイ 汚れと収納スペースの湿気 クローゼットを開けた瞬間にカビ臭いニオイが充満し、服に黒い点々が発生する。
型崩れ・シワ 不適切な保管方法(ハンガー、たたみ方、詰め込みすぎ) ブラウスの肩にハンガーの跡がくっきり残り、アイロンでも取れない頑固なシワがつく。

これらの悲劇は、決して特別なことではありません。正しい手順を踏まずに行った衣替えでは、ごく普通に起こりうることなのです。一度ついてしまった頑固な黄ばみや虫食いの穴は、元に戻すのが非常に困難です。そうなる前に、しっかりと対策を講じることが何よりも重要です。

1.2 この記事を読めばわかること

この記事では、そんな衣替えの失敗を防ぎ、あなたの大切な衣類を来シーズンまで最高の状態で保管するための具体的な方法を、ランキング形式でご紹介します。

単なる手順の紹介だけではありません。「なぜそれが必要なのか」という理由から、素材別の洗い方、正しい防虫剤の使い方、さらにはニトリや無印良品といった身近なアイテムを使った収納術まで、明日からすぐに実践できる、具体的で効果的なテクニックだけを厳選しました。

さあ、来年の自分への投資だと思って、完璧な秋の衣替えを始めましょう。次の章からは、いよいよ「必ずやるべきことトップ3」を詳しく解説していきます。

2. 秋の衣替えで必ずやるべきこと第1位 しまう前の徹底的な洗濯と乾燥

秋の衣替えで最も重要なのが、夏服を収納する前の「洗濯」と「乾燥」です。一見きれいに見える服でも、夏の間にかいた汗や皮脂、目に見えないホコリなどが繊維の奥に蓄積しています。これらを放置したまま収納してしまうと、来シーズン出したときに黄ばみやシミ、嫌な臭い、さらにはカビの原因となり、お気に入りの服が二度と着られなくなることも。大切な衣類を来年も気持ちよく着るために、しまう前のひと手間を徹底しましょう。

2.1 夏服の汗や皮脂汚れは黄ばみの原因

「数回しか着ていないから大丈夫」と思って、そのままクローゼットの奥にしまい込んでいませんか?実はその判断が、衣類の寿命を縮める大きな原因です。夏に着用した衣類には、自分では気づかないうちに汗や皮脂、日焼け止め、制汗剤などが付着しています。

これらの汚れは、保管中に空気中の酸素と結びついて酸化し、化学変化を起こすことで黄ばみや頑固なシミに変化します。特に、脇の下や襟元は汗や皮脂が付きやすいため要注意。一度変色してしまうと、通常の洗濯ではなかなか落とすことができません。衣替えのタイミングで汚れをしっかりリセットすることが、黄ばみを防ぐ最大のポイントです。

2.2 自宅でできる素材別のお手入れ方法

自宅で洗濯する際は、まず衣類についている「洗濯表示(取扱い絵表示)」を必ず確認しましょう。素材に合わない洗い方をすると、縮みや色落ち、型崩れの原因になります。素材の特性を理解し、それぞれに合った方法でお手入れすることが大切です。

2.2.1 Tシャツや普段着の洗い方

綿やポリエステル、麻といった比較的丈夫な素材でできたTシャツや普段着は、基本的な汚れ落としをしっかり行いましょう。特に汚れが気になる部分には、一手間加えるのがおすすめです。

襟元や袖口の黒ずみ、脇の汗ジミなど、皮脂汚れが気になる部分には、液体タイプの酸素系漂白剤や部分洗い用の洗剤を直接塗布し、少し時間をおいてから洗濯機に入れると効果的です。また、洗濯ネットを使用することで、衣類の絡まりや生地の傷み、首元のヨレを防ぎ、きれいな状態を長く保つことができます。洗剤は、洗浄力の高い弱アルカリ性のものを選ぶと、汗や皮脂の汚れをすっきりと落とせます。

2.2.2 おしゃれ着やデリケートな服の洗い方

サマーニットやブラウス、ワンピースなどのおしゃれ着は、より丁寧に扱う必要があります。洗濯表示に「手洗い」や「ドライクリーニング」のマークがある場合は、特に注意が必要です。

これらのデリケートな衣類には、生地への負担が少ない「中性洗剤(おしゃれ着洗い用洗剤)」を使用しましょう。洗濯機で洗う場合は、衣類をきれいにたたんで洗濯ネットに入れ、「手洗いコース」や「ドライコース」などの弱水流コースを選びます。脱水時間も1分以内など短めに設定するのが型崩れを防ぐコツです。洗い終わったら、すぐに取り出して形を整え、直射日光の当たらない風通しの良い場所で陰干ししましょう。ニットなどはハンガーにかけると伸びてしまうため、平干しネットを使うのが最適です。

2.3 クリーニングに出すべき衣類の見極め方

自宅での洗濯が難しい衣類や、高級な素材のものは、無理せずプロのクリーニングに任せるのが賢明です。特に、水洗いができない衣類を家庭で洗濯すると、取り返しのつかない失敗につながる可能性があります。

以下の表を参考に、クリーニングに出すべき衣類を見極めましょう。

衣類の種類・素材 クリーニングを推奨する理由 出す際のポイント
スーツ・ジャケット・コート類 芯地やパッドが使われており、水洗いすると型崩れや縮みが起きやすい。 ポケットの中身を空にして、ボタンの緩みなどがないか確認する。
シルク・レーヨン・キュプラ素材の衣類 水に非常に弱く、縮みやシワ、風合いの変化が起きやすいデリケートな素材。 シミや汚れの箇所を具体的に伝えて、プロに確認してもらう。
革・毛皮・合成皮革製品 専門的な知識と技術が必要。家庭での洗濯は不可能。 シーズンオフの保管サービスを利用するのも一つの手。
ビーズやスパンコールなどの装飾が多い服 洗濯中に装飾が取れたり、他の衣類を傷つけたりする可能性がある。 装飾が取れかかっている場所などを事前に伝えておく。
家庭で落とせない頑固なシミがある服 時間が経ったシミや特殊な汚れは、プロのシミ抜き技術が必要。 何のシミかを分かる範囲で伝えると、より適切な処理が期待できる。

クリーニング店によっては、通常のドライクリーニングでは落としきれない汗の成分をしっかり洗い流す「汗抜き加工」や、次のシーズンまで虫食いから守る「防虫加工」といったオプションもあります。長期保管する夏物衣料には、これらの加工をプラスするのもおすすめです。

3. 秋の衣替えで必ずやるべきこと第2位 虫食いとカビを防ぐ万全な対策

時間をかけて丁寧に洗濯・乾燥させた夏服。しかし、衣替えの本当の勝負はここからです。次のシーズンに気持ちよく袖を通すためには、長期保管中に発生する二大トラブル「虫食い」と「カビ」から衣類を完全に守り抜く必要があります。どんなに綺麗に洗濯しても、この対策を怠るとお気に入りの服が台無しになってしまうことも。ここでは、衣類を守るための鉄壁の防虫・防カビ対策を詳しく解説します。

3.1 防虫剤の正しい選び方と設置場所

衣類を食べる害虫は、ウールやカシミヤ、シルクといった動物性繊維を好みますが、実は化学繊維でも汗や皮脂汚れが付着しているとエサにしてしまいます。そこで欠かせないのが防虫剤です。防虫剤にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。特に重要なのは、異なる種類の防虫剤を絶対に混ぜて使わないことです。化学反応を起こし、衣類にシミがつく原因になります。

成分の種類 特徴 注意点
ピレスロイド系
(エムペントリンなど)
無臭または石鹸の香りなど種類が豊富。他の防虫剤と併用が可能。現在の主流で、商品数も多い。 人形や金糸・銀糸、ラメ加工品、皮革製品には直接触れないようにする。
パラジクロルベンゼン 独特の強いニオイがある。効果が早く、広範囲に効く。 ナフタリン、しょうのうとの併用は厳禁。塩化ビニルやスチロール樹脂、アクリル樹脂を溶かすことがある。
ナフタリン 昔ながらの防虫剤で、特有のニオイがある。効果が長期間持続する。 パラジクロルベンゼン、しょうのうとの併用は厳禁。効果が出るまでに時間がかかる。
しょうのう(樟脳) 独特の清涼感のある香り。和服や人形の防虫に使われることが多い。 パラジクロルベンゼン、ナフタリンとの併用は厳禁。

これまで使っていた防虫剤の種類がわからない場合は、無臭で他の薬剤と併用できる「ピレスロイド系」を選ぶのが最も安全です。

また、防虫剤の設置場所も効果を左右する重要なポイント。防虫成分は空気より重く、上から下へと広がっていきます。この性質を理解し、必ず衣類の一番上に置くようにしましょう。

  • クローゼット・洋服ダンス:パイプに等間隔で吊るす。
  • 引き出し・衣装ケース:たたんだ衣類の一番上に、全体に行き渡るように置く。

3.2 クローゼットや収納ケースの湿気対策

虫食いと並んで厄介なのが、ジメジメした環境で発生するカビです。カビは「高い湿度」「20~30℃の温度」「ホコリや皮脂汚れなどの栄養分」の3つの条件が揃うと発生しやすくなります。洗濯で栄養分は断ちましたが、次に徹底すべきは湿気対策です。

まず、衣類をしまう前にクローゼットや収納ケースの中をきれいに掃除しましょう。隅に溜まったホコリもカビの栄養源になります。アルコール除菌スプレーなどで拭き上げ、しっかり乾燥させてから衣類を収納してください。

その上で、除湿剤を効果的に活用します。除湿剤には様々なタイプがあります。

  • 置き型タイプ:クローゼットや押し入れの隅など、スペースがある場所に。
  • 吊り下げタイプ:洋服の間に吊るすことで、効率よく湿気を吸収。
  • シートタイプ:引き出しや衣装ケースの底に敷くことで、衣類全体を湿気から守る。

衣類を収納スペースに詰め込みすぎるのはNGです。空気の通り道がなくなり、湿気がこもりやすくなります。収納量は8割程度を目安にし、風通しの良い状態を保ちましょう。秋晴れの湿度が低い日には、クローゼットの扉を開けて空気を入れ替える習慣をつけるのも効果的です。

3.3 意外と知らない防虫剤のNGな使い方

せっかく防虫剤を使っても、使い方が間違っていると効果が半減したり、かえって衣類を傷めたりする原因になります。よくあるNGな使い方をチェックしておきましょう。

3.3.1 異なる種類の防虫剤を混ぜて使う

前述の通り、これは最も危険なNG例です。特に「パラジクロルベンゼン」と「ナフタリン」や「しょうのう」を混ぜると、化学反応で防虫剤が溶け出し、液状になって衣類に付着します。一度ついたシミはクリーニングでも落とすのが非常に困難なため、絶対に避けてください。

3.3.2 使用量を守らない

「たくさん入れた方が効果が高そう」と、規定量以上に入れるのは間違いです。ニオイが衣類に強くつきすぎたり、アレルギーの原因になったりする可能性があります。逆に、少なすぎると防虫成分が十分に行き渡らず、効果が得られません。必ずパッケージに記載されている「クローゼット〇本分」「引き出し〇段分」といった使用量の目安を守りましょう。

3.3.3 有効期限を無視して使い続ける

防虫剤には約6ヶ月~1年程度の有効期限があります。「おわり」のサインが出るタイプも多いですが、そうでない場合は入れた日付をマスキングテープなどに書いて貼っておくと交換時期がわかりやすくなります。期限が切れた防虫剤はただのプラスチックの塊です。効果が全くない状態で長期間放置することになり、虫食いのリスクが非常に高まります。

3.3.4 密閉されていない空間で使う

防虫成分を空間に充満させて効果を発揮するため、扉の開け閉めが多いクローゼットや、隙間の多い収納ケースでは効果が薄れてしまいます。衣類を保管する際は、できるだけ密閉性の高い収納ケースを選び、クローゼットの扉もきちんと閉めるように心がけましょう。

4. 秋の衣替えで必ずやるべきこと第3位 来シーズン着やすい収納の工夫

衣替えの最後の仕上げは「収納」です。せっかくきれいにした夏服も、収納方法を間違えるとシワや型崩れの原因になり、来シーズン着たいと思ったときにがっかり…なんてことも。ここでは、大切な服を守り、次のシーズンも気持ちよく着るための収納術を徹底解説します。

4.1 服が傷まないたたみ方と保管方法

収納の基本は、衣類の素材や特性に合わせて「たたむ」か「吊るす」かを選ぶことです。それぞれのメリットを理解し、最適な方法で保管しましょう。

たたむ収納に向いている衣類
Tシャツやカットソー、ニット、スウェットなど、比較的シワになりにくく、ハンガーにかけると伸びてしまいやすい衣類はたたんで収納するのが基本です。特にニット類は、自重で伸びて型崩れしやすいため、平置きでたたんで保管するのが鉄則です。

吊るす収納に向いている衣類
コートやジャケット、ワンピース、ブラウス、スカートなど、シワをつけたくない、型崩れさせたくない衣類は吊るして収納します。クローゼットに余裕がある場合は、衣類同士の間隔を少し開けておくと、風通しが良くなり湿気対策にもつながります。

素材別の基本的なたたみ方をご紹介します。

  • Tシャツ・カットソー:背中側を上にして置き、両脇を中央に向かって折ります。袖も折り返し、長方形を作ってから、収納ケースの高さに合わせて三つ折り、または四つ折りにします。引き出しの中で立てて収納すると、見やすく取り出しやすくなります。
  • ニット・セーター:厚みがあるため、ふんわりとたたむのがポイントです。Tシャツと同様に長方形を作り、ゆるめに二つ折りにします。ぎゅうぎゅうに重ねず、上に重いものを置かないように注意しましょう。
  • パンツ類:センタープレスのあるものはプレス線に沿って、ないものは縫い目に沿ってきれいに半分に折ります。そこからさらに三つ折りにすると、コンパクトに収納できます。

4.2 収納スペースに合わせたアイテム選び

クローゼットや押入れの限られたスペースを有効活用するには、収納アイテム選びが非常に重要です。ここでは、定番の収納ケースから便利な圧縮袋まで、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。

4.2.1 無印良品やニトリの定番収納ケース

衣替えの収納アイテムとして絶大な人気を誇るのが、無印良品とニトリの収納ケースです。シンプルで機能性が高く、買い足しやすいのが魅力です。それぞれの特徴を比較してみましょう。

無印良品とニトリの収納ケース比較
ブランド 代表的なシリーズ 特徴 こんな人におすすめ
無印良品 ポリプロピレン
衣装ケース/収納ケース
モジュールが統一されており、異なるサイズでもきれいに積み重ねられる。半透明で中身がうっすらと見えるため、ラベリングなしでも判別しやすい。 シンプルなデザインで統一感を出したい人。将来的に買い足して組み合わせたい人。
ニトリ Nインボックス/A4ファイルケースなど 価格が手頃で、カラーバリエーションやサイズ展開が非常に豊富。中身を完全に隠せる不透明なタイプも多い。 コストを抑えたい人。収納場所に合わせて様々なサイズや色を組み合わせたい人。

収納ケースを選ぶ際は、必ず事前に収納場所(クローゼットや押入れの内寸)を採寸し、どのサイズのケースがいくつ入るか計画を立てることが失敗しないコツです。

4.2.2 圧縮袋のメリットと注意点

ダウンジャケットや冬物の布団など、かさばる衣類の収納に便利なのが圧縮袋です。スペースを劇的に節約できる一方で、使い方を間違えると衣類を傷めてしまう可能性もあります。メリットと注意点をしっかり理解しておきましょう。

圧縮袋のメリットと注意点
項目 詳細
メリット 省スペース 収納スペースを1/2~1/3に圧縮でき、クローゼットや押入れを有効活用できます。
密閉性 ホコリや湿気、害虫から衣類をしっかり守ることができます。
注意点 シワ・型崩れ 一度ついたシワは元に戻りにくい場合があります。シワをつけたくないおしゃれ着には不向きです。
素材を選ぶ 羽毛(ダウンやフェザー)、シルク、革製品、ウール素材の高級なスーツなどは、繊維が傷んだり風合いが損なわれたりする可能性があるため使用を避けましょう。
長期間の圧縮 半年以上圧縮したままにすると、素材が復元しにくくなることがあります。半年に一度は袋から出して空気に当てましょう。

4.3 取り出しやすさを考えたゾーニング収納術

「どこに何があるかわからない」状態は、来シーズンの衣替えを憂鬱にさせる原因です。そうならないために、収納する段階で「ゾーニング(区分け)」を意識しましょう。目的は、誰が見てもどこに何があるか一目でわかる「収納の見える化」です。

具体的なゾーニングのアイデアをいくつかご紹介します。

  • 使用頻度で分ける:来年の初夏にすぐ着るであろうTシャツや薄手のシャツは、取り出しやすい手前や上段のケースに。真夏にしか着ない水着や浴衣などは、奥や下段のケースに収納します。
  • アイテム別に分ける:「トップス」「ボトムス」「インナー」など、アイテムのカテゴリーごとに収納ケースを分けます。こうすることで、探しているものがすぐに見つかります。
  • 人別に分ける:家族の衣類をまとめて管理する場合は、「パパ」「ママ」「子ども」のように、人別にケースを分けるのが最もシンプルでわかりやすい方法です。

さらに、収納ケースにはマスキングテープやラベルシールを使って「半袖Tシャツ」「スカート・ワンピース」といったように中身を明記しておきましょう。このひと手間が、来シーズンの衣替えを格段に楽にしてくれます。

5. これでもう迷わない 秋の衣替えの最適なタイミングとは

「秋の衣替え、いつやるのが正解なの?」と、毎年タイミングに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。暑い日が続いたかと思えば急に肌寒くなったりと、近年の気候では「10月1日になったら衣替え」というような決まった日付で動くのは難しくなっています。タイミングを間違えると、日中汗だくになったり、朝晩冷えて風邪をひいてしまったり…。ここでは、誰でも最適なタイミングを見つけられる具体的な方法をご紹介します。

5.1 衣替えのタイミングは「気温」で判断するのが正解

秋の衣替えを始める最も確実な指標は、「最高気温」と「最低気温」です。服装選びの目安となる気温を知っておけば、カレンダーに頼らずとも、ご自身の体感と合わせてスムーズに衣替えを進めることができます。

一般的に、人が長袖シャツを快適に着られるのは最高気温が20℃~22℃前後、セーターやジャケットが必要になるのは15℃~19℃前後と言われています。このことから、以下の2つの気温を目安にしましょう。

  • 長袖への移行サイン:最高気温が20℃を下回る日が続くようになったら
  • セーターやアウターの出番:最低気温が15℃を下回るようになったら

天気予報アプリなどで週間予報をチェックし、これらの気温になる日が続く FORECAST が出たら、それが衣替え開始のベストタイミングです。

5.2 2段階で進める「スムーズな衣替え」のすすめ

全ての服を一度に入れ替えようとすると、時間も手間もかかり、途中で挫折しがちです。また、日中と朝晩の寒暖差が大きい秋は、一度にすべての夏服をしまってしまうと着る服に困ることも。そこでおすすめなのが、本格的な秋と初冬の2段階に分けて衣替えを行う方法です。

5.2.1 第1段階:長袖・羽織ものへのシフト(最高気温20℃前後)

まずは、明らかに今シーズンはもう着ないであろう真夏向けの服(ノースリーブ、リネン素材のシャツ、サンダルなど)をしまいます。そして、すぐに使える薄手の長袖Tシャツ、シャツ、カーディガン、パーカーなどをクローゼットの手前に移動させます。この段階では、半袖Tシャツはまだ残しておくと、日中の暑い時間帯に対応できて便利です。

5.2.2 第2段階:冬物への本格シフト(最低気温15℃以下)

朝晩の冷え込みが厳しくなり、日中も肌寒さを感じるようになったら、本格的な冬物への移行です。残しておいた半袖や夏物の残りをしまい、セーター、ニット、厚手のジャケット、コートなどを本格的に出します。ここまでくれば、秋の衣替えは完了です。

5.3 地域別・時期別の衣替え目安カレンダー

日本は南北に長いため、衣替えの最適な時期も地域によって大きく異なります。お住まいの地域の一般的な目安を参考に、ご自身の計画を立ててみましょう。

地域別 衣替え目安時期
地域 第1段階(長袖へ) 第2段階(冬物へ)
北海道・東北 9月中旬~下旬 10月上旬~中旬
関東・中部 10月上旬~中旬 10月下旬~11月上旬
近畿・中国・四国 10月中旬 11月上旬~中旬
九州・沖縄 10月下旬~11月上旬 11月中旬~下旬

※この表はあくまで平年における目安です。その年の気候や天候によって時期は変動するため、必ず天気予報の気温を最終的な判断基準にしてください。

5.4 衣替えに最適な「天気」と「時間帯」

衣替えを行う「日」のコンディションも、大切な衣類を守る上で非常に重要です。タイミングを見計らって、最適な日に作業を行いましょう。

5.4.1 天気:湿気の少ないカラッと晴れた日

衣替えの最大の敵は「湿気」です。湿気が残ったまま衣類を収納すると、カビや黄ばみ、虫食いの原因に直結します。雨の日は避け、空気が乾燥している秋晴れの日を選びましょう。クローゼットや収納ケースの扉を開け、空気を入れ替えながら作業するのが理想的です。

5.4.2 時間帯:日中の暖かい時間

作業は、日差しがあり、比較的気温が高い日中に行うのがおすすめです。洗濯物の最終チェックで少し湿っているものがあっても、この時間帯なら短時間で乾かすことができます。また、明るい場所で作業することで、衣類のシミやほつれなどのチェックもしやすくなります。

6. まとめ

秋の衣替えで必ずやるべき3つのポイントをご紹介しました。しまう前の「徹底的な洗濯と乾燥」で黄ばみを防ぎ、「防虫・湿気対策」で虫食いやカビから守ること。そして、来シーズン着やすい「収納の工夫」をすることが、服を長持ちさせる秘訣です。少しの手間をかけるだけで、お気に入りの服を来年も美しい状態で着ることができます。この記事を参考に、正しい衣替えで大切な衣類を守りましょう。