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【解決策】ドラム式洗濯機に増える「臭いトラブル」を今すぐ解消!簡単な掃除方法と人気洗剤

【解決策】ドラム式洗濯機に増える「臭いトラブル」を今すぐ解消!簡単な掃除方法と人気洗剤

ドラム式洗濯機の「なぜか臭い」トラブルにお困りではありませんか?この記事では、その根本原因である特有の構造や節水設計が招く汚れの蓄積を解説します。さらに、ご家庭で今すぐできる簡単な掃除方法から、効果的な人気洗剤の選び方、日頃からできる臭い予防策まで網羅的にご紹介。臭いを元から断ち、快適な洗濯を実現しましょう。

1. なぜ?ドラム式洗濯機に「臭いトラブル」が増える原因

近年、節水性能や乾燥機能の便利さから人気が高まっているドラム式洗濯機ですが、その一方で「購入してから臭いが気になるようになった」という声も少なくありません。なぜ、ドラム式洗濯機は臭いのトラブルが起こりやすいのでしょうか。ここでは、その主な原因を深掘りしていきます。

1.1 ドラム式洗濯機特有の構造と臭いの関係性

ドラム式洗濯機が臭いやすくなる背景には、その特有の構造が大きく関わっています。縦型洗濯機と比較すると、いくつかの点で臭いの原因となりやすい特徴があります。

まず、ドラム式洗濯機は洗濯槽が横向きまたは斜め向きに設置されており、洗濯やすすぎに使用する水の量が縦型洗濯機に比べて格段に少ないのが特徴です。少ない水で効率よくたたき洗いをするため、節水効果は高いのですが、その反面、汚れや洗剤成分が洗濯槽内に残りやすくなる傾向があります。これらの残留物が、時間とともに雑菌のエサとなり、不快な臭いを発生させるのです。

さらに、ドラム式洗濯機は気密性が高い構造になっています。洗濯中に水が漏れないようにドアパッキンなどでしっかりと密閉されるため、洗濯終了後も内部に湿気がこもりやすくなります。この湿気と、洗濯槽に残った汚れや洗剤カスが組み合わさることで、カビや雑菌が繁殖しやすい環境が生まれてしまうのです。特に梅雨時期や湿度の高い季節は、注意が必要です。

1.2 節水設計が招く洗剤カスの蓄積

ドラム式洗濯機の大きな魅力である節水設計は、実は洗剤カスの蓄積という問題を引き起こす一因にもなっています。前述の通り、使用する水の量が少ないため、洗剤が完全に溶けきらず、またすすぎも十分に行き届かない場合があります。

特に粉末洗剤を使用する場合や、液体洗剤でも規定量以上を投入してしまうと、溶け残った洗剤成分が洗濯槽の裏側や部品の隙間などに付着しやすくなります。これらの洗剤カスは、ホコリや糸くず、皮脂汚れなどと混ざり合い、ヘドロ状の汚れとなって蓄積していきます。この蓄積した汚れが、カビや雑菌の温床となり、洗濯物や洗濯機本体から嫌な臭いを放つようになるのです。

また、最近の洗剤は高機能化しており、様々な成分が含まれています。これらの成分が節水環境下で残留しやすくなることも、臭いの原因として考えられます。

1.3 乾燥フィルターの目詰まりとカビの発生

ドラム式洗濯機の便利な機能の一つに乾燥機能がありますが、この乾燥フィルターの手入れを怠ると、深刻な臭いの原因となります。乾燥機能を使用すると、洗濯物から出た糸くずやホコリが乾燥フィルターに集められます。

このフィルターが目詰まりを起こすと、主に以下の2つの問題が発生し、臭いにつながります。

  1. 乾燥効率の低下と生乾き臭:フィルターが詰まると空気の通り道が塞がれ、乾燥効率が著しく低下します。これにより、洗濯物が完全に乾ききらず、生乾きの状態になりやすくなります。生乾きの洗濯物では雑菌が繁殖しやすく、あの独特の嫌な臭いが発生します。
  2. フィルター自体でのカビや雑菌の繁殖:乾燥フィルターに溜まった糸くずやホコリは、洗濯物から移った湿気を含んでいます。この湿った糸くずやホコリを放置すると、それ自体がカビや雑菌の温床となり、フィルターから悪臭が漂うようになります。この臭いが洗濯槽内に広がり、洗濯物に移ってしまうこともあります。

多くのドラム式洗濯機には、乾燥フィルターの掃除を促す表示機能がありますが、表示が出る前でもこまめに清掃することが、臭い予防には非常に重要です。また、乾燥フィルターだけでなく、その奥にある熱交換器(ヒートポンプ式の場合)にホコリが蓄積することも臭いの原因となるため、機種によっては定期的なお手入れが必要です。詳しくは、お使いの洗濯機の取扱説明書をご確認ください。

2. ドラム式洗濯機の主な臭いの種類と見分け方

ドラム式洗濯機から漂う不快な臭いは、その原因によっていくつかの種類に分けられます。臭いの種類を正しく見分けることが、効果的な対策への第一歩です。ここでは、代表的な臭いの種類とその原因、特徴、見分け方のポイントを詳しく解説します。

2.1 カビ臭い場合 その原因と特徴

ドラム式洗濯機で最も多くの方が悩まされるのがカビ臭です。洗濯槽の裏側やゴムパッキンなど、湿気がこもりやすく洗剤カスや汚れが残りやすい場所に黒カビが発生し、特有の不快な臭いを放ちます。特に梅雨時期や湿度が高い季節に臭いが強くなる傾向があります。

項目 詳細
主な原因 洗濯槽に残った水分、溶け残った洗剤や柔軟剤、衣類から出る皮脂や垢、ホコリ、洗濯槽の換気不足、カビの胞子の付着と繁殖。
臭いの特徴 じめっとした土のような臭い、ホコリっぽい酸っぱい臭い、雑巾のような生乾き臭と混同しやすいがより根本的なカビの臭い。洗濯物にもカビ臭が移ることがあります。
見分け方のポイント 洗濯物に黒いピロピロとしたワカメのようなカスが付着する、洗濯槽のフチやドアパッキンの溝、洗剤投入ケースの奥などに黒い点々としたカビが目視できる、洗濯後も衣類がスッキリしない。
主な発生場所 洗濯槽の裏側、ドアパッキンの溝や内側、洗剤投入ケースの内部や奥、糸くずフィルター(乾燥フィルター)周辺。

カビの発生メカニズムや対策については、花王株式会社の製品Q&Aなども参考に、正しい知識を持つことが大切です。

2.2 下水のような臭い 排水トラップの問題かも

洗濯機周辺からドブや下水のような強烈な臭いがする場合は、排水系統に問題がある可能性が高いです。特に排水トラップの不具合や排水ホースの汚れ・詰まりが主な原因として考えられます。この臭いは洗濯槽内部というより、洗濯機パンや排水口付近から感じられることが多いです。

項目 詳細
主な原因 排水トラップの封水(溜め水)切れ、排水トラップや排水口の汚れ・ヘドロの蓄積、排水ホースのたるみや汚れ・詰まり、排水管自体の問題(まれ)。
臭いの特徴 硫黄のような臭い、腐敗臭、ドブのような強烈な悪臭。常に臭う場合と、洗濯時や排水時に特に強く臭う場合があります。
見分け方のポイント 洗濯機置き場の排水口付近から臭いが立ち上ってくる、排水時にゴボゴボと異音がする、排水の流れが悪い。洗濯槽自体は綺麗なのに臭う場合は排水系を疑います。
主な発生場所 排水口、排水トラップ、排水ホース、洗濯パン。

排水トラップの構造や役割については、専門業者の解説ページなども参考になります。

2.3 生乾き臭 洗濯物の干し方と菌の繁殖

洗濯物が乾いた後でも、雑巾のようなモワッとした不快な臭いが残るのが生乾き臭です。これは、洗濯で落としきれなかった皮脂汚れなどをエサに「モラクセラ菌」などの雑菌が繁殖し、その代謝物が臭いの原因となります。ドラム式洗濯機は使用水量が少ないため、汚れが十分にすすぎきれず、菌が残りやすい環境になることもあります。

項目 詳細
主な原因 洗濯で落としきれなかった皮脂やタンパク質汚れ、洗濯槽に残った菌(モラクセラ菌など)、洗濯物の干し時間が長い、部屋干しによる高い湿度、洗濯物の詰め込みすぎによる洗浄力不足。
臭いの特徴 濡れた雑巾のような酸っぱい臭い、汗臭さとカビ臭さが混じったような臭い。一度発生すると、再度洗濯してもなかなか取れにくいのが特徴です。
見分け方のポイント 洗濯物が乾いた後に特に臭いが気になる、特定の衣類(厚手のもの、化学繊維など)だけが臭うことがある、部屋干しすると部屋全体に臭いが広がる。洗濯槽のカビ臭と併発していることもあります。
主な発生場所 洗濯物自体、洗濯槽内部(菌の温床となっている場合)。

生乾き臭の原因菌や対策については、Lidea - くらしとココロの快適マガジン(ライオン株式会社)などの情報も役立ちます。

2.4 洗剤や柔軟剤の香りが変化した臭い

普段使っている洗剤や柔軟剤の良い香りが、いつもと違う不快な臭いに変わってしまったと感じるケースです。これは、洗剤や柔軟剤が洗濯槽内の汚れやカビと混ざり合ったり、あるいはそれら自体が古くなって変質したりすることで発生します。香りの変化は、洗濯槽の汚れが進行しているサインかもしれません。

項目 詳細
主な原因 洗剤や柔軟剤の過剰投入による溶け残り、洗濯槽内のカビや雑菌との化学反応、古い洗剤や柔軟剤の使用による成分の変質、香りの強い製品同士の組み合わせによる意図しない臭いの発生。
臭いの特徴 本来の洗剤や柔軟剤の香りとは異なる、油っぽい臭いや化学的なツンとした臭い、甘ったるい不快な臭い。香りが弱まるだけでなく、悪臭に変化することが問題です。
見分け方のポイント 新しい洗剤や柔軟剤を使い始めたわけでもないのに香りが変わった、洗濯槽洗浄をしばらく行っていない、洗剤投入ケースに洗剤が固まって残っている。
主な発生場所 洗濯槽内部、洗剤投入ケース、洗濯物。

これらの臭いの種類と原因を把握することで、より的確な掃除方法や予防策を選ぶことができます。次の章では、これらの臭いを解消するための具体的な掃除方法をご紹介します。

3. 今すぐ実践!ドラム式洗濯機の臭いを消す簡単な掃除方法

ドラム式洗濯機の嫌な臭いは、多くの場合、内部に蓄積した汚れやカビが原因です。しかし、正しい掃除方法を実践すれば、ご家庭でも効果的に臭いを取り除くことができます。ここでは、ドラム式洗濯機の臭いを根本から解消するための具体的な掃除手順を、掃除箇所ごとに詳しく解説します。これらの方法を定期的に行うことで、洗濯機を清潔に保ち、快適な洗濯ライフを取り戻しましょう。

3.1 基本の掃除箇所 洗剤投入ケースと糸くずフィルター

日常的に汚れが蓄積しやすい洗剤投入ケースと糸くずフィルターは、臭い対策の基本中の基本です。これらの箇所は特にカビや雑菌が繁殖しやすいため、こまめな掃除が不可欠です。見過ごされがちですが、臭いの大きな原因となっていることも少なくありません。

3.1.1 洗剤投入ケースの正しい洗い方

洗剤投入ケースは、液体洗剤や柔軟剤の残りカスが付着しやすく、ヌメリや黒カビが発生しやすい場所です。月に1~2回を目安に、以下の手順で丁寧に掃除しましょう。

  1. 洗剤投入ケースを取り外します。多くのドラム式洗濯機では、ケースを最大限に引き出し、内部にあるロック解除ボタン(ツメやレバー状のもの)を押しながらさらに引き出すと、簡単に取り外すことができます。取り外し方は機種によって異なる場合があるため、必ずお使いの洗濯機の取扱説明書を確認してください。

  2. ぬるま湯とブラシで洗浄します。ケース全体、特に洗剤や柔軟剤が溜まりやすい角や溝の部分を、使い古しの歯ブラシや専用の小さなブラシを使って丁寧にこすり洗いします。固着してしまった洗剤カスや柔軟剤の塊は、40℃程度のぬるま湯にしばらく浸け置きすると、汚れが浮き上がり落としやすくなります。

  3. 細かい部分や奥まった箇所も念入りに。液体洗剤や柔軟剤の投入口、粉末洗剤用の仕切りなど、細かいパーツも分解できる場合は分解し、隅々まで汚れを落としましょう。ケースがはまっていた洗濯機本体の奥も、手が届けば固く絞った布などで拭き取ると、より清潔になります。

  4. 水気を拭き取り、完全に乾燥させます。洗浄後は、清潔な布で水気をしっかりと拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させてから元に戻します。水分が残ったまま戻すと、新たなカビの原因となるため注意が必要です。

洗剤投入ケースの汚れは、洗剤の溶け残りや柔軟剤の過剰な使用が原因となることもあります。洗剤や柔軟剤は必ず適量を守りましょう。

3.1.2 糸くずフィルター(乾燥フィルター)の掃除ステップ

糸くずフィルター(乾燥機能付きの機種では「乾燥フィルター」とも呼ばれます)は、洗濯中に出る糸くず、髪の毛、ペットの毛、ティッシュの残りなどをキャッチする重要な役割を担っています。ここにゴミが溜まると、洗濯物へのゴミの再付着、乾燥効率の低下、生乾き臭、さらには排水エラーの原因にもなります。洗濯の都度、または最低でも週に1回は必ず掃除しましょう。

  1. 糸くずフィルターの場所を確認し、取り外します。フィルターの設置場所は、洗濯機の前面下部や、ドラムの奥(乾燥機能付きの場合)など機種によって異なります。取扱説明書で正しい位置と取り外し方法を確認してください。

  2. フィルターに付着した大きなゴミを取り除きます。手で大まかな糸くずやゴミを取り除きます。ティッシュペーパーを丸めて拭き取ったり、使い古しの歯ブラシでかき出したりするのも効果的です。

  3. 細かいホコリや汚れを洗い流します。多くのフィルターは水洗い可能です。シャワーなどで水をかけながら、ブラシで優しくこすり洗いし、網目に詰まった細かい汚れを落とします。油分を含んだ汚れや洗剤カスがこびりついている場合は、中性洗剤を薄めたぬるま湯で洗うとスッキリ落ちます。

  4. 完全に乾燥させてから元に戻します。水洗いした後は、タオルで水気をよく拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾かしてから洗濯機に取り付けます。湿った状態で戻すと、カビや雑菌が繁殖し、悪臭の原因となるため、乾燥は徹底しましょう。

特に乾燥機能を頻繁に利用する場合、乾燥フィルターの目詰まりは乾燥時間が異常に長くなったり、衣類がきちんと乾かなかったりする直接的な原因となります。また、ホコリが過度に蓄積すると、稀に発火のリスクも指摘されていますので、安全のためにもこまめな清掃が非常に重要です。

3.2 見落とし厳禁 ドアパッキン周辺の汚れとカビ取り

ドラム式洗濯機のドアの内側にあるゴム製のパッキンは、構造上、水や洗剤カス、糸くずなどが溜まりやすく、非常にカビが発生しやすい箇所です。この部分の黒カビやヌメリが、洗濯物への臭い移りや、洗濯機全体の悪臭の原因となっているケースが非常に多く見られます。洗濯終了後には毎回、そして月に1~2回は念入りな掃除を心がけましょう。

掃除方法は以下の通りです。

  1. パッキンの溝や隙間を確認します。ドアを開け、ゴムパッキンをめくりながら、内側や溝に汚れやカビが付着していないかチェックします。特に下部は水が溜まりやすいため、念入りに確認しましょう。

  2. 乾いた布やマイクロファイバークロスで拭き取ります。まずは、乾いた布や吸水性の高いマイクロファイバークロスで、パッキン全体の水分や表面の汚れ、ホコリ、髪の毛などを拭き取ります。洗濯終了後に毎回この作業を行うだけでも、カビの発生を大幅に抑えられます。

  3. 固く絞った布や歯ブラシで汚れを落とします。こびり付いた汚れや軽いカビは、水で濡らして固く絞った布や、使い古しの歯ブラシ、綿棒などを使って丁寧にこすり落とします。パッキンを傷つけないよう、優しく作業しましょう。

  4. 落ちにくいカビには塩素系カビ取り剤を使用(注意が必要)。頑固な黒カビには、浴室用の塩素系カビ取り剤(泡スプレータイプなど)が効果的です。ただし、使用する際は必ずゴム手袋とマスクを着用し、十分に換気を行ってください。カビ取り剤をカビに直接スプレーするか、キッチンペーパーに含ませてカビ部分に貼り付け、数分~数十分放置します(製品の指示に従ってください)。その後、水で濡らした布で薬剤が残らないよう、何度も丁寧に拭き取ります。薬剤が洗濯槽内に流れ込まないよう注意し、金属部分への付着も避けてください。使用後は、念のため「槽洗浄コース」や「すすぎと脱水」のみの運転を行うと安心です。お使いの洗濯機の取扱説明書で、塩素系漂白剤の使用可否や注意点も確認しましょう。

ドアパッキンの掃除後は、洗濯機のドアを少し開けて内部を乾燥させることで、カビの再発防止に繋がります。

3.3 排水フィルター(排水口)の汚れと臭い対策

排水フィルター(排水トラップや排水口内部のフィルターを指すこともあります)は、洗濯後の排水に含まれる大きなゴミや異物をキャッチし、排水管の詰まりを防ぐ役割があります。ここに糸くず、髪の毛、ヘドロ状の汚れなどが蓄積すると、水の流れが悪くなり、下水のような悪臭や洗濯機のエラー表示の原因となります。月に1回程度を目安に点検・清掃しましょう。

掃除手順は以下の通りです。

  1. 排水フィルターの場所を確認し、取り外します。多くのドラム式洗濯機では、本体の前面下部にある小さなカバーを開けると排水フィルターがあります。フィルターを回して取り外す際に、内部に残っている水が出てくることがあるため、あらかじめ下に浅い受け皿や雑巾を用意しておきましょう。取り外し方は機種によって異なるため、取扱説明書を必ず確認してください。

  2. フィルターに溜まったゴミを取り除きます。フィルターに絡みついた糸くず、髪の毛、ボタンなどの固形物を取り除きます。大きなゴミは手で、細かい汚れは使い古しの歯ブラシなどを使って洗い流します。

  3. フィルターハウジング(フィルターが収まっていた場所)も掃除します。フィルターを取り外した奥の部分も、手が届けばブラシや布で拭き、汚れを取り除きます。ヘドロ状の汚れが付着していることが多いです。

  4. 排水口周辺も確認し、必要であれば掃除します。洗濯パンや排水口のカバーを外し、排水トラップ(封水が溜まっている部分)に汚れが溜まっている場合は、パイプクリーナーを使用するか、ブラシで清掃します。ただし、ドラム式洗濯機は構造上、排水トラップが詰まりやすいわけではありませんが、念のため確認しましょう。市販のパイプクリーナーを使用する場合は、製品の指示に従い、使用後は十分な水で洗い流してください。

  5. フィルターを元に戻します。掃除が終わったら、排水フィルターを確実に元の位置に取り付けます。しっかりと閉まっていないと水漏れの原因になるため、注意が必要です。

排水フィルターの掃除を怠ると、排水エラー(例:パナソニックの「U11」エラーなど)が表示され、洗濯機が途中で停止してしまうことがあります。定期的なメンテナンスでトラブルを未然に防ぎましょう。

3.4 洗濯槽の徹底洗浄 槽洗浄コースの効果的な使い方

目に見えない洗濯槽の裏側には、洗剤カス、水垢、黒カビなどがびっしりと付着している可能性があり、これがドラム式洗濯機の悪臭の最大の原因となることが多いです。市販の洗濯槽クリーナーや酸素系漂白剤を使って、定期的に洗濯槽の徹底洗浄を行いましょう。多くのドラム式洗濯機には「槽洗浄コース」が搭載されていますので、これを活用します。

3.4.1 メーカー推奨の洗濯槽クリーナーの選び方

洗濯槽クリーナーには、主に「塩素系」と「酸素系」の2種類があります。また、ドラム式洗濯機専用のクリーナーも販売されています。

クリーナーの種類 主成分 特徴 メリット デメリット
塩素系クリーナー 次亜塩素酸ナトリウム 強力な殺菌力・漂白力でカビを分解除去。 ・短時間で効果を発揮しやすい。
・カビを分解するため、剥がれたカビが浮遊しにくい。
・ツンとした刺激臭がある。
・酸性タイプの製品と混ざると有毒ガスが発生する危険性(「まぜるな危険」表示確認)。
・衣類に付着すると色落ちの原因になる。
酸素系クリーナー 過炭酸ナトリウム 発泡力で汚れを剥がし取る。 ・塩素系のような刺激臭が少ない。
・環境への負荷が比較的少ない。
・色柄物への影響が少ない(ただし直接衣類には使用しない)。
・効果が出るまでに時間がかかる(浸け置きが必要な場合が多い)。
・剥がれたカビや汚れが大きく浮遊し、フィルターに詰まることがある(ドラム式では比較的少ない)。

ドラム式洗濯機の場合、使用できる水の量が少ないため、泡立ちすぎるとセンサーが誤作動を起こしたり、泡が機外に漏れたりするリスクがあります。そのため、「ドラム式専用」と記載のあるクリーナーや、お使いの洗濯機メーカーが推奨する純正クリーナーを選ぶのが最も安全で効果的です。純正クリーナーは、そのメーカーの洗濯機の構造や特性に合わせて開発されているため、安心して使用できます。

槽洗浄の頻度は、月に1回程度が理想ですが、洗濯頻度や汚れ具合に応じて調整してください。特に梅雨時期や夏場など、湿度が高くカビが繁殖しやすい季節は、よりこまめな洗浄が効果的です。

3.4.2 酸素系漂白剤を使った槽洗浄の手順

市販の酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム100%のものが望ましい)を使っても槽洗浄が可能です。ただし、メーカーが推奨していない場合や、使用方法を誤ると故障の原因になる可能性もあるため、自己責任で行うことになります。実施する場合は、以下の手順を参考に、洗濯機の取扱説明書も併せて確認してください。

用意するもの:

  • 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム):洗濯槽の容量に応じた量(一般的に500g程度が目安ですが、製品の指示に従ってください)
  • お湯(40~50℃):酸素系漂白剤の効果を高めるため。ただし、洗濯機が使用できるお湯の温度上限を確認してください(通常60℃以下)。
  • ゴミすくいネット(あれば)

手順:

  1. 洗濯槽を空にします。衣類などが残っていないことを確認します。

  2. 酸素系漂白剤を洗濯槽に直接投入します。洗剤投入ケースではなく、直接ドラム内に入れます。

  3. 高水位までお湯(または水)を溜めます。ドラム式洗濯機の場合、手動で水位を設定できない機種が多いです。その場合は、「槽洗浄コース」を選択し、開始直後にお湯をバケツなどで追加するか、給水が始まった時点でお湯が出るように給湯器を設定します(洗濯機が対応している場合)。お湯の量は、ドアを開けてもこぼれない程度、かつドラムがしっかり浸かる量が目安です。機種によっては、槽洗浄コース開始後、一時停止してお湯を足せる場合もあります。

  4. 「洗い」運転を5~10分程度行い、漂白剤を溶かします。その後、電源を切り(または一時停止し)、2~6時間程度浸け置きします。長時間放置しすぎると、剥がれた汚れが再付着したり、洗濯機に負担がかかったりする可能性があるので注意してください。

  5. 浸け置き後、浮いてきた汚れ(ワカメ状のピロピロしたカビなど)をゴミすくいネットなどでできる限り取り除きます。これを怠ると、排水時にフィルターや排水ホースが詰まる原因になります。

  6. 再度電源を入れ、「槽洗浄コース」または「標準コース(洗い・すすぎ2回以上・脱水)」で運転します。汚れがひどい場合は、すすぎの回数を増やすと良いでしょう。

  7. 運転終了後、糸くずフィルターや排水フィルターを確認し、溜まったゴミを取り除きます。また、洗濯槽の内部やドアパッキンに汚れが残っている場合は、拭き取ります。

酸素系漂白剤は、塩素系クリーナーと絶対に混ぜないでください。効果が失われるだけでなく、有害なガスが発生する危険性はありませんが、予期せぬ化学反応を避けるため、同時使用や連続使用は避けましょう。

4. 「臭いトラブル」対策に効果的な人気洗濯洗剤と選び方のコツ

ドラム式洗濯機の嫌な臭いは、日々の洗濯で使用する洗剤を見直すことでも改善が期待できます。ここでは、臭い対策に効果的な洗濯洗剤の選び方のコツと、編集部おすすめの人気商品をご紹介します。ご自身の洗濯環境や悩みに合った洗剤を見つけて、快適な洗濯ライフを取り戻しましょう。

4.1 臭いを抑える洗濯洗剤の成分に着目

洗濯物の臭いの主な原因は、落としきれなかった皮脂汚れや、洗濯槽・衣類に残った雑菌の繁殖です。これらの原因に直接アプローチできる成分が含まれているかどうかが、洗剤選びの重要なポイントとなります。

  • 酵素系成分皮脂やタンパク質汚れを分解する酵素は、雑菌の栄養源を取り除くのに効果的です。特に、リパーゼ(脂質分解酵素)やプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)などが配合されているか確認しましょう。
  • 漂白剤(酸素系)酸素系漂白剤が配合された洗剤は、除菌・消臭効果が高く、色柄物にも安心して使用できます。洗濯槽のカビ予防にもつながります。ただし、塩素系漂白剤はドラム式洗濯機本体や衣類を傷める可能性があるため、酸素系を選びましょう。
  • 抗菌・防臭成分銀イオン(Ag+)や抗菌ポリマーなどが配合された洗剤は、菌の増殖を抑制し、臭いの発生を防ぎます。部屋干しが多い方や、洗濯物が乾きにくい梅雨時期には特に頼りになる成分です。
  • 消臭成分: 緑茶エキスや柿渋エキス、竹炭エキスなど、天然由来の消臭成分が配合されているものは、発生してしまった臭いを中和・吸着する効果が期待できます。

また、洗剤の液性も洗浄力と関係があります。弱アルカリ性の洗剤は、皮脂汚れなど酸性の汚れに強く洗浄力が高い傾向にありますが、デリケートな衣類には不向きな場合があります。一方、中性洗剤は衣類へのダメージが少なく、おしゃれ着洗いにも適していますが、洗浄力は弱アルカリ性に比べて穏やかです。普段の洗濯物の種類や汚れ具合に合わせて選びましょう。

香りが強い洗剤は、臭いを一時的にマスキングするだけで、根本的な解決にはならないこともあります。臭いの原因菌をしっかり除去できる成分が含まれているかを確認し、無香料や微香性のタイプも検討してみましょう。

4.2 ドラム式洗濯機専用洗剤を選ぶメリット

ドラム式洗濯機は、少ない水量でたたき洗いをする構造上、縦型洗濯機とは異なる特性を持っています。そのため、ドラム式洗濯機専用に開発された洗剤を選ぶことには、いくつかのメリットがあります

  • 泡立ちが少ない(低泡性): ドラム式洗濯機は少ない水で洗うため、泡立ちすぎると洗浄力が低下したり、泡がクッションとなってたたき洗いの効果が弱まったりすることがあります。また、すすぎ残しの原因にもなり、これが洗剤カスとして蓄積し、臭いの元になることも。専用洗剤は泡立ちを抑えるように調整されており、効率的な洗浄とすすぎを実現します
  • 溶けやすい: 少ない水量でも洗剤成分がしっかりと溶け、衣類全体に行き渡るように工夫されています。これにより、洗剤の溶け残りが少なくなり、洗濯槽内への洗剤カスの付着を防ぎます
  • 再汚染防止成分配合: 洗濯中に衣類から剥がれた汚れが、少ない水の中で再び衣類に付着してしまう「再汚染」を防ぐ成分が配合されているものが多いです。これにより、洗濯物全体をクリーンに保ち、黒ずみや臭いの発生を抑えます

ドラム式洗濯機の特性に合わない洗剤を使い続けると、知らず知らずのうちに洗濯槽内に汚れが蓄積し、臭いの原因となることがあります。専用洗剤を使用することで、洗濯機本体への負担を軽減し、長期的に見て臭いトラブルの予防につながります。

4.3 柔軟剤の過度な使用は逆効果?臭いの原因になることも

衣類を柔らかく仕上げ、良い香りを付けてくれる柔軟剤ですが、使用量や使い方を誤ると、かえってドラム式洗濯機の臭いの原因になることがあります。

柔軟剤の主成分である陽イオン界面活性剤は、繊維の表面をコーティングすることで柔軟効果を発揮しますが、この成分が衣類や洗濯槽に残りやすい性質を持っています。過度に使用すると、洗い流されなかった柔軟剤成分が蓄積し、それを栄養源として雑菌が繁殖しやすくなります。また、洗濯槽の壁面にも付着しやすく、ヌメリやカビの原因となることもあります。

特に香りが強い柔軟剤は、洗濯槽内で他の汚れや洗剤カスと混ざり合うことで、本来の香りとは異なる不快な臭いに変化してしまうケースも見られます。良い香りでごまかそうと柔軟剤を多めに入れるのは、臭い問題を悪化させる可能性があるため避けましょう。

柔軟剤を使用する際は、以下の点に注意してください。

  • 必ず製品に記載されている適量を守る。少なめでも効果を感じられる場合もあります。
  • 臭いが気になるときは、一時的に柔軟剤の使用を控えてみる。
  • 洗濯槽の定期的な掃除(槽洗浄)を欠かさない。
  • 香りでごまかすのではなく、臭いの元を断つ洗剤選びや洗濯方法を優先する。

最近では、香りが控えめなタイプや、天然由来成分を使用した柔軟剤も増えています。どうしても香り付けをしたい場合は、そういった製品を選んだり、洗濯後に衣類用のフレグランスミストを軽く使用したりするのも一つの方法です。

5. 日頃から意識したいドラム式洗濯機の臭い予防策

ドラム式洗濯機の不快な臭いは、日頃のちょっとした心がけで大幅に予防することができます。高価な洗剤や専門的な掃除に頼る前に、まずは基本的な予防策を習慣にしましょう。ここでは、今日から実践できる簡単な臭い予防テクニックをご紹介します。

5.1 洗濯終了後は速やかに洗濯物を取り出す習慣を

洗濯が終了した衣類を洗濯槽内に長時間放置することは、臭い発生の最大の原因の一つです。洗濯後の洗濯槽内は湿度が高く、温度も適度に保たれているため、雑菌が繁殖しやすい環境になっています。特に、梅雨の時期や気温の高い夏場は、短時間でも雑菌が急増し、生乾き臭やカビ臭の原因となります。

洗濯終了のアラームが鳴ったら、できるだけ早く洗濯物を取り出し、風通しの良い場所で干すことを徹底しましょう。すぐに干せない場合は、洗濯機のタイマー機能を活用して、帰宅時間や他の家事が一段落する時間に合わせて洗濯が終了するように設定するのも効果的です。この一手間が、臭いのない快適な洗濯ライフに繋がります。

5.2 洗濯機のフタは開けて内部を乾燥させる

洗濯物を取り出した後、すぐに洗濯機のフタ(ドア)を閉めてしまうと、洗濯槽内に湿気が閉じ込められ、カビや雑菌が繁殖する絶好の環境を作り出してしまいます。ドラム式洗濯機は密閉性が高いため、特に注意が必要です。

洗濯終了後は、洗濯機のフタを必ず開けたままにして、内部を自然乾燥させましょう。理想的には、次の洗濯まで開けておくのがベストです。洗剤投入ケースも少し引き出しておくと、ケース内の湿気も逃がすことができ、より効果的です。ただし、小さなお子様やペットがいるご家庭では、誤って中に入ったりしないよう、ドアストッパーを使用するなど安全には十分配慮してください。換気扇を回したり、浴室乾燥機が付いている場合は短時間運転したりするのも、洗濯機周辺の湿度を下げるのに役立ちます。

5.3 フィルター掃除と槽洗浄の適切な頻度

ドラム式洗濯機の臭いを予防するためには、定期的なフィルター掃除と洗濯槽の洗浄が不可欠です。これらのメンテナンスを怠ると、汚れが蓄積し、悪臭の温床となります。適切な頻度でお手入れすることで、洗濯機を清潔に保ち、臭いの発生を未然に防ぎましょう。

各フィルターの役割と推奨される掃除頻度、および槽洗浄の目安は以下の通りです。

掃除箇所 推奨頻度 主な役割と掃除のポイント
糸くずフィルター(乾燥フィルター) 洗濯ごと、または乾燥運転の都度 洗濯中に出る糸くずやホコリをキャッチします。乾燥機能付きの場合は乾燥効率にも影響します。目詰まりすると乾燥時間が長くなったり、生乾きの原因になったり、ひいては臭いの原因にもなります。取り外してゴミを取り除き、必要に応じて水洗いしましょう。
排水フィルター 月に1回程度 洗濯水に含まれる大きなゴミや異物(ヘアピン、小銭など)をキャッチし、排水経路の詰まりを防ぎます。ここに汚れが溜まると排水がスムーズに行われず、悪臭の原因となることがあります。取扱説明書に従って、水漏れに注意しながら清掃してください。
洗剤投入ケース 月に1回程度 洗剤や柔軟剤の溶け残りが付着しやすく、放置するとカビが発生することがあります。ケースを取り外して隅々まで洗い、よく乾燥させてから戻しましょう。
洗濯槽(槽洗浄) 1~2ヶ月に1回程度 目に見えない洗濯槽の裏側には、石鹸カス、水垢、カビなどが付着しています。これらが臭いの主な原因となるため、メーカー推奨の洗濯槽クリーナーや酸素系漂白剤を使用して定期的に槽洗浄を行いましょう。

これらの頻度はあくまで目安です。ご家庭の洗濯回数や洗濯物の汚れ具合、設置環境(湿度など)によって調整してください。特に臭いが少しでも気になり始めたら、それはお手入れのサインと捉え、早めに掃除を行うことが大切です。

5.4 洗剤と柔軟剤は必ず適量を守る

「洗剤や柔軟剤を多く入れれば、汚れ落ちが良くなり、香りも強くなるはず」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、これは大きな間違いです。洗剤や柔軟剤の過剰な使用は、溶け残りを引き起こし、それが洗濯槽や衣類に蓄積してしまいます。この溶け残りが雑菌のエサとなり、カビの発生や不快な臭いの原因となるのです。

特にドラム式洗濯機は、縦型洗濯機に比べて使用する水の量が少ないため、洗剤が溶け残るとその影響が出やすい傾向にあります。必ずお使いの洗剤や柔軟剤のパッケージに記載されている使用量の目安を守り、洗濯物の量に合わせて正確に計量しましょう。液体洗剤の場合、キャップの目盛りをしっかり確認することが重要です。最近では洗剤自動投入機能が付いた機種も増えていますが、その場合でも定期的にタンク内を清掃し、洗剤が固まらないように注意が必要です。

5.5 乾燥機能を活用したカビ予防テクニック

ドラム式洗濯機の大きなメリットの一つである乾燥機能は、衣類を乾かすだけでなく、洗濯槽内部のカビ予防にも非常に効果的です。カビは湿度の高い環境を好むため、乾燥運転によって洗濯槽内を高温で乾燥させることで、カビの繁殖を抑制することができます。

日常的に部屋干しをしている方や、外干しがメインの方でも、週に1回程度、または月に数回でも良いので、乾燥機能(特に「槽乾燥」コースがあれば最適)を利用して洗濯槽内をしっかりと乾燥させることをおすすめします。これにより、洗濯槽内に残った湿気を取り除き、カビが生えにくい環境を作ることができます。特に梅雨時期など、湿度が高くなる季節には意識して行うと良いでしょう。

また、乾燥機能を使用した後は、乾燥フィルターに溜まったホコリや糸くずを必ず清掃してください。フィルターが目詰まりすると、乾燥効率が低下するだけでなく、湿ったホコリが臭いの原因になったり、最悪の場合は発火のリスクも高まります。乾燥機能のメリットを最大限に活かすためにも、フィルター掃除はセットで行う習慣をつけましょう。

6. まとめ

ドラム式洗濯機の不快な臭いは、特有の構造や節水設計が原因で発生しやすいですが、正しい掃除方法と予防策で解決可能です。洗剤カスやカビが主な原因であり、洗剤投入ケースやフィルター、ドアパッキン、そして洗濯槽の定期的な清掃が不可欠です。適切な洗剤を選び、日頃から洗濯機の乾燥を心がけることで、臭いの悩みから解放され、快適な洗濯ライフを取り戻しましょう。それでも改善しない場合は専門業者への相談も検討してください。